10th ANNIVERSARY GROUND ANGEL 2011 REPORT
今年もあとわずかとなりました。
思いもよらぬ大震災に見舞われ、一人ひとりが立ち止まり考えさせられた2011年。
この2011年に、奇しくも10周年を迎えた「GROUND ANGEL」が各地で行いました10th ANNIVERSAY EVENTの様子をご報告致します。
お忙しい中、また寒さの厳しい中、それぞれの場所へ足をお運び頂きました皆様、また10年間、GROUND ANGELの想いを共に歩んできてくださった皆様、本当にありがとうございました。
今年のテーマにも掲げられた「Angel Rays」という言葉にもあるように、一筋の希望の光が、私達の未来を照らすことを願いながら来年2012年も、共に歩んでいければと思います。
【ART EVENT】
2011/12/3〜開催中
Art Rink×GROUND ANGEL
10周年を迎えた2011年、GROUND ANGEL誕生の地でもある横浜赤レンガ倉庫にて「GROUND ANGEL」が開催されています。
100周年を迎えた横浜赤レンガ倉庫でのスケートリンクと10周年を迎えたGROUND ANGELとのコラボレーションという形で盛大に行われているこのイベントでは、石井竜也による楽曲が流れる中、「SMILE」をテーマに、赤レンガ倉庫の壁面と、大人と子供の立体的な白い顔のオブジェに、笑顔の投影が行われています。
スケートリンクで、楽しそうに滑っている人々との笑顔と投影される世界の子どもたちの笑顔。
来年は、日本中そして世界中がこんな笑顔でいっぱいの年になりますように…
またこのインスタレーションは、現在も開催中となりますのでご都合の付く方はぜひご来場ください。
(Art Rink×GROUNDANGEL 使用楽曲)
M1:THE WING OF DREAMS 〜Serenity World〜
M2:GROUND ANGEL
M3:天使の羽音(Edit Ver.)
M4:夕焼け飛行船 〜空虚〜
M5:FOREST WALTZ
M6:キノのテーマ
M7:緑の窓(Inst.ver.)
【CONCERT】
2011/12/4,6,14
GROUND ANGEL × 〜Angel Rays〜
名古屋市公会堂、大阪市中央公会堂、日比谷公会堂と3都市の歴史ある会場にて行われたコンサートでは、GROUND ANGELのスピリットを感じさせられる優しく、強く、温かい楽曲達が披露されました。
またコンサートの間に行われた石井竜也作・演出・出演によるアクト「CLOUD HEAD」では、人間が作り上げたものに、一部の人間が知らず知らずのうちに幸せ、自由、感情を侵されていくという今の日本の行く末を案じてしまうような、フィクションとは言い切り難いストーリーが演じられました。
SET LIST
M0-1:THE WING OF DREAM 〜Serenity World〜(Inst.)
M0-2:GROUND ANGEL
M1:出逢い
M2:天使の羽音(Edit ver.)
M3:THE PENDULUM OF LIFE
<MC>
M4:未来〜まだ見ぬ時代よ
M5:始めてみよう
M6:Cave Rain(Inst.)
− ACT−「CLOUD HEAD」
(Tears Rain / Inst.)
M7:ART VANDALIZE(Inst.)
M8:LANDSCAPE
<MC>
M9:Where is Heven
M10:テンシ・ノ・ササヤキ
<MC>
M11:旅の途中で
<MC>
M12:遠い出来事
−ENCORE−
<MC>
EN1:風の子守歌
<MC>
EN2:愛の力
(つよくいきよう)
また会場ロビーに設置された各募金箱にはたくさんの皆様の善意が寄せられました。
改めまして以下にご報告差し上げます。
■MIND from MIND 募金箱
2011.12.4 名古屋市公会堂153,332円
2011.12.6 大阪市中央公会堂339,580円
2011.12.14 日比谷公会堂 388,358円
総額 881,270円
■ドナルド・マクドナルド・ハウス 募金箱
http://www.dmhcj.or.jp/
2011.12.4 名古屋市公会堂28,901円
2011.12.6 大阪市中央公会堂45,789円
2011.12.14 日比谷公会堂143,651円
総額218,341円
【ART INSTRATION】
2011/12/13〜12/27
LIGHTING OBJET 2011
クリスマス時期の丸の内を、ロマンティックな光と音で彩る「ライティング・オブジェ2011」。
今年で6年目となるこのイベントには、例年同様石井竜也によるGROUND ANGELコンセプチュアル・オブジェが出展されました。
タイトルは「Angel Rays」。
閉ざされた中で背を向けうなだれる天使と、希望の光を掲げ天を仰ぐ天使の対比に、胸が痛くなる作品です。
ハンドルを引き、頑丈すぎるほどの扉を開けると中からブワッと吹き出す風が、開けた者の顔に当たり、思わず目を細めます。
そんな吹きすさぶ風の中、うなだれていた天使に私達はどんな手を差し伸べることができるのでしょうか?
(作品横に掲示された石井竜也のメッセージより)
Angel Rays
TATUYA ISHII
2011
情報が錯綜し、不安感だけがまん延している今の日本。
そんな状況のなか制作したこの作品に、僕は「Angel Rays」というタイトルを付けました。
“Rays”というのは、X-rays、つまり放射線の意味にも使われている言葉です。
でも、僕の「Angel Rays」は、物騒なRay(光)ではなく、天使がもたらす一筋の希望の光をイメージしています。
たとえかすかで細い光でも、今はそれを希望の光と信じ、感動と夢を忘れずにいたい。
そんな今の日本人の想いをこの作品タイトルに重ねてみました。
決して簡単なことではありません。
復興はとても長い時間が必要でしょうし、心の問題はもっともっとかかるでしょう。
でも、まず光を探さなければ、見つけることもできません。
この作品を見て、ショックを受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、これから私達がもっともっと強く生きていくためにもこの風景を、心のどこかに残して頂ければと思います。
2001年の9・11アメリカ同時多発テロをきっかけに、2002年にスタートさせた平和祈念活動「GROUND ANGEL」は、3・11の大震災に見舞われた今年2011年に、10周年を迎えます。
この10周年の節目を、特別な区切りとするのでではなく、来年以降も「GROUND ANGEL」を通じて、3・11の被災者の皆さんを少しでも勇気付けられたら、夢を与えられたらと思っています。
2011年12月 石井竜也
【EXHIBITION】
2011/12/19〜12/25
HEART GALLERY
GROUND ANGELの誕生の地、横浜赤レンガ倉庫のほど近くに立つ銀行として使用されていた荘厳な石造りの建築物の中で、石井竜也が今までに創り上げてきたエンジェル・オブジェ達17体が集結しました。
ローマ建築トスカーナ式の柱が特徴的なその建物と石井竜也のオブジェが融合して創り上げるその雰囲気に、夜には窓からその様子を見て立ち寄る人々もいらっしゃいました。
また、訪れる方々一人ひとりの、滞在時間が長いのも印象的でした。
「このまま、ここに展示しておいてほしい」という声もたくさん寄せられたほどに、エンジェル達が居心地よく息をしていたあの場所は、訪れた方々に何かを語りかけ、心を癒す空間だったのかもと思います。
また展覧会会場に設置された募金箱の集計結果をご報告致します。
ご協力誠にありがとうございました。
■MIND from MIND 募金箱
2011.12.18〜12.25
総額 179,939円
(HEART GALLERY展入口に掲示された石井竜也のメッセージより)
HEART GALLERY
message
2002年の「GROUND ANGEL」開催から10年。
今年は、思いもよらぬ大災害に日本が揺れました。
一人ひとりが何をしたらいいか わからないような状況の中、皆と一緒にメッセージを発したり、様々な支援イベントに参加したりと東北に向けて微力ながらも働きかけることができたのは、この活動を10年続けてこれたからだと「GROUND ANGEL」に対し、深く感謝をした年でもありました。
考えてみれば、心を試されているような1年だったようにも思います。
悩みに悩み、その心を掘り下げれば掘り下げるほど、僕の心はアートとは切り離せないということもわかりました。
そして僕は、HEART の中にARTを見つけました。
この国にとっても、「GROUND ANGEL」にとっても節目となるこの年の終わりに、今まで作ってきたエンジェル達を「GROUND ANGEL」の発祥の地でもある横浜に一堂に集めたこの展覧会「HEART GALLERY」において、難しいことではなく、ごく単純にエンジェル達の姿が、皆様の来年からの力になれば、何かに癒されたい、何かにすがりたい、という今の日本人の心に寄り添えるひとときになれば 大変嬉しく思います。
2011年12月 石井竜也
また、GROUND ANGEL 2011年におけるMIND from MINDへの寄付金等のご報告は当サイトにて、2012年1月末のアップを予定していますので今しばらくお待ちください。
10周年を記念して各地にて行われたGROUND ANGELは、東北の方々への長い支援を目的とした11年目からのGAの始まりでもあります。
2012年以降の「GROUND ANGEL」ならびに「MIND from MIND」を何卒よろしくお願いいたします。