63年を経て、子どもたちへ。
Y
14.05.21 02:45
戦禍を潜り抜け、63年後に世に送り出された絵本があります。
『ペンギンくん、せかいをまわる』
2000.11.15
マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ作 山下明生訳
岩波書店
ユダヤ系ドイツ人の作者は、ドイツ軍パリ侵攻の数時間前に、冬物コートと4冊の絵本原稿を荷台に縛り付け、自転車で国境を越えたそうです(スペインへ逃れ、汽車に乗りリスボンへ、船に乗りブラジルへ渡り、最終的にアメリカへ移住)。その絵本原稿とは、のちに『しりたがりやのジョージ』として出版されることになる『フィフィ』だったのですが、実はもう1冊持ち出されていたことが、1999年10月、わかったのでした。それが『ペンギンくん~』です。
当時、出版に向け準備がされつつあったのですが、他の作品の制作がはじまり、未発表作品として眠ることとなったようです。
絵本、児童文学もまた、戦争の影響を深く、受けています。
作者、遺著管理者、コレクション館長、出版者(社)と、多くの人のリレーにより子どもたちへ届けられることとなったのは素晴らしい。
3200円(税別)と、絵本にしてはお高めですが、布の背表紙で装幀も素敵です。ちょっと長めのストーリーですが、『ジョージ』に負けないユーモアがたっぷり。
小さいお子さんにスマホやタブレット端末をあずけている姿をみますが、動画ばかりでなく、絵本も見せてあげてほしいな~と思います。
朝日新聞朝刊で、政府事故調の「吉田調書」入手が報じられていましたね。私、地元地方紙しか取っていないので、コンビニで買いました。国は報告書に一部を紹介するのみで全ての公表はしないと・・・。隠すから疑われるんだよ・・・。