箱の中身がある、東北。
石井竜也
14.07.29 14:03
日本企業の多くは、機械主導主義である。まずは、精密な機械を作るが、その機能と並ぶソフトがない。つまりは、いくら機械的機能を追求しても、それを使いこなせる、ユーザーと、アーティストが居なければ、その機械は普及しないという図式。実際のアイデアという物は、「このソフトを作りたいから、こういう機能を搭載出来ないか?」という事が本来あるべき機材の発展であると考える。日本企業の作り出す技術力は、中途半端ではない。これは日本が世界に胸を張ってもいい職人気質と、根性である。しかし、残念ながら、日本には、柔らかい部分にまで及ばない「悪癖」がある。一途になる事は、重要不可欠ではあるが、それは、何のために作られているのか?という根本を、見誤る事が多い気がする。箱ばかりを必死に奇麗に磨いて、中身に気が行かない。使うのは、中身であり、人々がおもしろがったり、感動したり、楽しんだり出来る物は、機械じゃない。その内容だ。こういうと、「進んだ技術力が、なければ、いいソフトも出来ないだろう」と、口を揃えて、言う。これは、根本原理が間違っている。アニメにしてもマンガにしても、日本の発想は素晴らしい。つまりはソフトは、既にあるのだ。しかしその素晴らしさを、国民はあまりにも身近にあるため、気がつかないでいる。ソフトの高次元を目指さない限り、内容物の乏しさで、経済的な工業分野は、遅れをとる事になる。箱にばかり気を取られて、新鮮な魚を入れ忘れているのだ。クラッシックの世界を見るとよく解る。各県には、それこそ、素晴らしいクラッシック・ホールが二つ以上はある。だが、その中で演奏する、クラッシック界自体に覇気がない。もっと、もっと、若いアーティストや、海外からの招致、何より観客を獲得し、育てなければならない。それが出来ない限り、この乱立するクラッシック・ホールは、ただの「建物」になる。全てのインフラが、現在、宝の持ち腐れ状態に陥っていると、思うのは俺だけだろうか?『技術力日本』力強い言葉だが、内容を伴わない技術力は、先が見えている。しかも、世界シェアを席巻する機材という物は、ケイタイや、スマホ、テレビなど、一年も持たない使い捨て経済である事に、日本人の一人一人が、そろそろ気が付くべきだ。こういう考え方の末路が、第2次世界大戦の『戦艦大和』の撃沈に繋がる。精密で大きく、見かけは凄い戦艦でも、時代の波や発達に追いついていなければ、一瞬で、撃沈させられてしまう。軍事力の強化が叫ばれ、日本も、おそらく世界的にも、高水準の装備を目指し、それに匹敵する武器も出来るだろう。でも、シミュレーションや、使う側の心情までも考えない限り、高水準の機械は、ただの磨かれた箱に過ぎない。なんにせよ、国が一番に掲げている国民の生命財産の保護を訴えている限り、自衛権は必要だし、強国の言いなりになってばかりではこれ以上の日本を作る事は出来ないだろう。お子さんの居る方、または、年頃のお子さんを教えている教師の皆さんが、ここをもし、のぞいているとしたら、どうか、ソフトの分野で活躍出来うる人材を、もっともっと、のばしてやってほしい。既に、想像力は今の若い世代は、欠如しそうなのである。ハードから、ソフトへの依存ではなく、ソフトから、ハードへの共同開発に切り替えると、物は、素晴らしい発展を遂げるに違いない。その高い完成度を追求する日本人気質が、次の世界を変えるのではないか?とも、思う。山積する大問題、放射能問題、地球温暖化問題、国際的に過激さを増す覇権争い、水質汚染に、海洋汚染、エネルギー資源の早期移行、経済改革と技術の発展、地球規模で起こりうる災害対策、問題は山積である。*人口増加は、ある発表を見ても、世界的に今がピークであるとする研究者が、殆どである。これからは、人口が減って行く人口減少時代に入る。頂点に居る生物の増加は、地球の生態系にも及んでしまうため、自然と、少子高齢化がこれからの世界の最大の問題になるようだ。