14.08.06 13:04

人間の能力の発達や進歩は、そう簡単な事じゃありません。という事は、時代が流れる上での最先端に位置する意識向上や、それを理解する一般のレベルまで浸透する時間には、相当の開きがある訳です。殆どの人は、その早さについて行けません。これは、自然界にも言える事で、一匹のチンパンジーが木の実を割る技術を習得しても、他のチンパンジーには、その時には興味も持たれません。しかし、その事自体が、実は非常に便利な事に気がついて行くには、世代が必要なのです。たった一つの「木の実を割る」という行為自体が、その部族や群れに浸透するのでさえ、それだけの時間かかるのです。ましてや最先端医療、最先端技術、最先端科学など、いち早く研究している事実を、専門家以外の人が理解するのは、おそらく、この世代では無理です。そのくらい、人間の発達能力が一般的になるという事には時間がかかる物なのです。その大失敗例が、「原発」です。後の処理を考えず、人類を何回も絶滅させてしまうほどの大きな「負のエネルギー」を、今の科学者や企業では、どうしようもない状態での使用だったのです。今までの『火』という概念では説明がつかない、熱源である事、非常に高いリスクと、危険性が認められる事、作ったら最後、稼働し続けなければならない事、その際に極めて危険な放射性物質が広がる事、確実に疲労するであろう「金属」という素材の脆弱性。これらを総合的に見ても、原子力の事故想定範囲や、人体に与える科学的立証、又その対処法など、全てが、立ち後れて行く訳です。アインシュタインが、偶発的に見つけてしまった、原子レベルでの爆発能力、その事自体も、今の科学では、アインシュタインのレベルの科学者がでない限り、答えは出ないでしょう。しかも、この法則は、経済的にも、医学的にも、科学的にも、政治的にも、答えがでない方が都合がいい状況にあるという現実。世の中には、答えがでない方が良い事もある事を、原子力は体現していると、このごろ思うのです。おそらく何らかの事故対応の早期決着的な事は、既に解明されているのかもしれない。だけれども、それを公表した暁には、もの凄い賠償金と、政治を動かす利権、巨大産業の崩落を引き起こす可能性があるのかもしれませんね。「認める」という事すら許されない、危険な科学とは、一体誰のために、あるのでしょうか？アメリカ軍が、イラク戦争で使用した「劣化ウラン弾」での被曝は、落とされた方と、落とした方の両方に、多大な犠牲を生みました。ベトナム戦争での「枯れ葉剤」の影響は、世代を超えて、奇形を生み出しています。一体、どこまでのリスクを、自分たちで作っているのでしょうか？確実なる破壊は、証明されていても、その対処方法は、実にあやふやなまま使用する、化学兵器や最先端科学。その時代の人間を実験台として、次の世代にまで影響を及ぼす巨大産業の本音とは、一体どこにあるのでしょうか？そこまでのリスクを負って使用しなければ、この人間社会が成り立たないとは、到底思えないのは、俺だけでしょうか？世界は、個人主義になりつつあります。個人の考えが優先され、恨みも妬みも、国単位ではなく、一部の偏った個人から発信され、ねずみ算的に増えて行く「憎悪の連鎖」。グレー・ゾーンの人びとは、その祭りにただ声を上げるだけでしかないのに、巨大な歯車は、無情に動いて行ってしまう。それを止める術はもはやなくなり、それを鎮圧すれば、逆に暴動に発展する。後ろにも前にも進めなくなったすし詰め状態の地下鉄のようですね。地下を、猛スピードで走っているにもかかわらず、誰も、この列車が転覆するとかは、考えない。現代のあらゆる事象は、盲目なのではないでしょうか？