まずは、ご冥福を・・・。
石井竜也
14.08.21 23:21
多大なる犠牲を出した今回の広島の地すべり現場の惨状は、あまりにも手ひどい自然の猛威だ。今回の自然災害には、地球規模の気候大変動が絡んでいるとしか考えられない。この小さな島国で、あんな事がそこここで起こったとしたら、目も当てられない。火山国である日本の土壌には、必ず、どの地方にも、土砂災害が起こる危険性をはらむ、火山灰の地層がある。我々が気をつけなければならないのは、傾斜のある場所であれば、どこでも、今回のような事は起こりえるという事と、長く強力な集中豪雨がいかに、この国の土壌に適さないかという事だ。今までの、台風という概念を遥かに超えた、今回の11号や12号の形態を見ると、まるでモンスーン気候の地域型ハリケーンに近い。竜巻の発生件数、落雷に限っては、この2000年くらい、こんな異常な数は、なかったのではないだろうか? 遅い動きが、日本独自の中心に山脈を持つ地形に雨雲の溜まりを作り、一気に短い時間で、異常な量の雨が降り注ぐ、これは、まさに大陸型の気候である。おまけに、季節外れの気象状態も異常だ。雹が降ってきたり、最近とみに感じるのは、東京にも地震の数が徐々に増えている事。この両方をつなぎ合わせると、地球がいかに活発に動く時期に入ってきたかという事が、よくわかる。一体、我々の祖先達は、こういう異常気象条件の時代には、どんな風にして、命を守ってきたのだろう?今のように情報も何もないだけに、個人個人の、予知能力や、自然から学んだ、知識の集積、我々現代人はなくしてしまった、危険予知感覚なるものも、多少はあったように思う。何より、危険である場所に住まない選択肢があった。それが、今では、この人口爆発で、多少危険でも、どんどん、家を建ててしまう。しかも、旧家であっても、300年前とは、全く違う気象条件である事が大きい。海に囲まれているという事は、海から入ってくる「荒れ狂う気象状況」が次々に上陸するという事で、これは、今の科学では、太刀打ち出来ない。それと、小さいながらも、我々日本人が戦後してきた、木の伐採や、広葉樹林の消失は大きな要因だろう。針葉樹林は、根が浅く、重量が重い。このような脆弱な地質には、あまり合っていない、樹木の植林は、脆弱な土壌を、やがてもっと、危険な土地にしてしまう。緑が多くなれば良いだけでは、土砂災害を伏せる事は出来ないのだ。しかも、地震、しかも、太平洋の気候変動を、もろに受けやすい立地条件。一体、これからの日本の国土の安全は、どうすれば、こんな悲惨な災害を無くせるんだろうか?地滑りや、土砂災害は、人間の生活形態とも密接に関わっているだけに、インフラを整えるにしても、どこから手を出して行ったら良いのか、解らないのが現状ではないのだろうか?いずれにせよ、今回の災害で御亡くなりになられた方々に、心からの哀悼と、ご冥福をお祈りします。