14.10.24 14:02

このサイトでの自分の言動には、注意し、何度も確かめてから上げるようにしてはいるのですが、人間に完璧はありません。言ってる事全てが正しい訳でもないし、悪戯に軽佻な言葉で誤摩化す場所でもありません。また悪戯に皆さんの恐怖を煽る場所でもない。だから、事実と情勢は、ある程度の精査と編集をしながら、注意深く書き上げているつもりです。しかし、コンサートやイベント等、時間やある程度の制約のもとに歌ったりしゃべったりという場所では、精査も判断能力も、一種のパニック状態に陥ります。皆さんから観て「石井、落ち着き払っているじゃん」とか思われるでしょうが、被災地や、その他大きな事故や災害に苦しんでいる場所にコンサートで行くとき等は、出来たら、しゃべらない方がいいのかもしれません。人間、言葉の使い方次第では、悪くも取られますからね。でも、そこは、石井竜也のコンサートをせっかく観て下さる人々が居る以上、自分の全ての力を出して、なんとか一瞬だけでも皆さんに、楽しんでもらおうとする。でも、これが、自制力をそいで行くんです。その場の冷静な判断が多少、甘くなる。特に日本語は、一つの言いたい事について、いくらでも言い方が出来る特質をもっている手前、自分の中で今のこの瞬間は、どの言葉を使えばいいかが、判断出来なくなる事もあるんです。結果、いろんなアーティストが引き起こしている「不適切な言葉事件」なんかが起こりやすい。今まで多分僕も、不適切な言葉をどこかで使っていたでしょう。今だって、誰かを傷つけているかもしれないのです。でも、自己表現の場所で、それをあまりにも恐れ、のびのびと出来なかったら、きっと、そのアーティストに居るべき場所はなくなるでしょう。まあ観ている方々にしても、いちアーティストにそこまでの期待も、責任もかぶせようとは、思わないかもしれませんね。それこそ自分本位な意見になってしまいますね。でも、やはり、集まって頂いた皆さんに対しては、出来るだけ失礼のないよう、必死でやってきたこの２９年でした。物事には、その場で言っていい事と、悪い事がある事ぐらい、自分でも解ってはいますが、面白さを求められたりすると、その言動は、過激になり、一定の常識を超えてしまう場合はありますね。しかし、あまりにも言葉を選ぶのも、失礼になる場合があります。今までも自分の至らなさで、誤解や嫌な想いをさせてしまった事はありましたが、その反動は、大勢の皆さんの心を相手にしている仕事ですので、反論、反撃も、激烈です（笑）。この頃は、さほど落ち込む事もなくなりましたが、３０代の頃等、よく「コンサートなんか、二度とするもんか！」と、ふてくされて、米米を脱退しようとした事も一度や二度じゃないです。それだけ、自分も幼かっただろうし、どうしていいやら解らない事も沢山ありましたしね。顔をさらして仕事をするという事には、リスクが伴います。それも大きなリスクです。社会的にも、自分の人生や、スタッフ、家族、親戚、友人、とにかく、大きなショックが起こります。多分、これからも心にもなかったような事を、つい口走ってしまう事もあるのだろうと思います。それは決して許される事ではないのは十分に解っていても、人間である以上、過失は起こります。しかも、いろんな事が重なってしまう・・・なんて事もある。犯罪など起こさなくても、いくらでも、言葉尻をつまんで、極めて悪質に、おとしめられる業界です。謙虚であるより前に、自分の言動には敏感でなくてはならないと、いつも思っています。・・・・ところが人は、スケジュールが立て込んできたりして疲れがピークを超えたり、また、自尊心を傷つけられたりすると弱いもんですね。あんなに、気をつけていた言葉一言一言に、注意散漫になり、無防備になってしまう。３０年も、ステージに居ても、こんあもんなのだから、きっと昔は、どんだけバカだったかが解ります。だから今は、出来るだけ「偉そうな事」と「決めつけるような事」だけは、言わないようにしています。とは言っても、難しいですね・・・言葉って。