『比べる』
石井竜也
14.11.23 19:20
人は、どうしても、お隣と比べる欲望に近い習性があるのです。この悪癖が実は人生の不幸を生んでいるとも感じます。人は、他人と自分の人生の違い、生き方の相違、精神の違いにも目を向けず、「あの人はいいよな」となります。これがまず不幸の始まり、自分の人生は、自分で切り開くしかありません。確かに、生まれつきの大富豪もいるでしょう。でも、はたして、その人が幸福感に満たされた生活・人生を送っているか?というと、そうはいかないのが人間の人生なのです。「不幸なように見えるから、あの人は不幸だ」とか、「幸福なように見えるからあの人は幸福だ」とかは、実際のその日の心の中を見た訳でも、3日間話し合い、とことんその人生を見比べた訳でもない。裕福でも、貧乏でも、精神的に追いつめられれば、究極ですが結局、「自殺」が待ってるんです。自殺に裕福も貧乏もないのではないか?と、このごろ思うのです。要するに、その人の追いつめられ方や、どれだけの精神的強弱、打ち勝つだけの努力や、個々に持つアクシデントに対する強さだったりする訳です。『比べる』という無意味な事を、日本人は早く止めるべきです。「あの人は30歳で死んだから不幸だ」とか、「102歳まで生きたから幸福だ」とか、「あの人は宝くじに当たったからラッキーだ」とか、「相当の借金を抱えているから不幸だ」とか、事実関係や見た目の風貌で決めるもんじゃない。たとえ、短い人生だったとしても、愛に溢れ、美しい物を多く見て、家族や友人の愛に冴えられ、本当の親友の手を取り、愛情に涙の中でなくなって行く人は、実は幸せかもしれないじゃないですか。70年も80年も生きても、出会う人出会うに罵倒され、くじかれ、裏切られ、あげくの果てが、ダンボールの中で、80歳を迎える人もいる訳で、人の幸福というのは、他人とははかれない物なのです。今すぐ出来るだけ『比べる』事を止めてみませんか?