表現の難しさ。
石井竜也
15.01.20 19:56
無難をしていれば、飽きられる、やりすぎれば、叩かれる。「てにをは」までチェックされ、「あいつは悪だ!」とレッテルを貼られる。表現者の難しさと、能力の高さは、何も作品にとどまる訳じゃない。今のように、CDが売れる時代じゃなくなってしまった音楽界で、一番の大切な場所は、やっぱり、コンサート、ライブです。そこで何を見せ、どんな表現で、ファン達はもちろん、世間の人たちに、アピールし、楽しんでもらえるか?僕は、いつもこう思っています。「その時に、一番、自分自身、関心が持てる事を素直に、コンセプトにしよう。そして、出来るだけ、みなさんと、離れる場所と、みなさんの身体の中まで流れ込んで行く場所を、作ろう」いつも、考えるのは、これだけです。あのミュージシャンの方も、きっと、はしゃぎ過ぎちゃったんだと、思います。どんなに巨人になっても、転ぶ事はある訳で、間違いや、失敗の中で何かを学んで行くのは、還暦でも、17歳でも、同じ事です。報道する方や、悪意と受けとめる方は、何を聞いても、悪意ととります。そこがこの世界(特に日本)の表現の場所を小さくしているところでもある事を、考えると、随分と、現代は、厳しくなったもんだと、思うのです。誰かが離婚しただの、くっついただの、自分の生活には何の関係もない事に、執着以上の物を感じる人のオンパレード。でも、まあ、それでみなさんのエンターテインメント風の何かを感じてもらい、楽しんで罵倒出来れば、それが小さな楽しみって方も大勢いらっしゃるから、仕方ないのかもしれませんね。ただ、あの件で、許されない事がいくつか、この国にも、他の国にもある事だけは、覚えておいた方がいいと言う事は、正直に思いました。人びとの前に立つ仕事を選んだ瞬間、その責任は、どんなステージであろうが、責任が生じる事は、確かです。それが、日本を代表するアーティストとなれば、尚更だと思います。だから、僕は思うのです。・・・・ああ、隙間産業アーティストでよかったって。