サウンド・オブ・ミュージック
石井竜也
15.02.11 03:13
心が疲れたら、悔しいけれど、小さな時に見た、ロバート・ワイズ監督の世界的名作『サウンド・オブ・ミュージック』をみるといい。小さな何でもない物を、利用し工夫して、自分の苦しい生い立ちも忘れ、一心に子ども達との交流を図る、主役、『マリア』の健気さが人間という生き物を崇高に見せてくれる。音楽も素晴らしいし、景色も半端な美しさじゃない、この映画は、「どんな時代にでも、本当の愛は、とても自然に涌き上がってくるものだ!」という、ただ一つのメッセージなのだ。何事か一生懸命に取り組む尊さや、健気さは、人にアピールしないからこそ、尊い。その事を、人間愛と、男女の愛、国への愛、そして、子ども達を代表する、未来への祈りが込められた感動的なものだ。僕は、何かに行き詰まると、必ず、小学6年生の時に見た「感動」が忘れられなくて、もうかれこれ、40年以上、この映画に助けられている。人生を、楽しむのに、幾ばくかのお金で十分!ちょっとした、心遣いで十分に、幸福感は味わえるはずなのだ。そしていつしか、音楽は、形を変えて、このリアル過ぎてしまった、極彩色だらけの「醜悪綺麗」な事だけを、追い求める病的な時代に、あまりにも、まぶしく感じるだろう。それは、君が汚くなったからじゃない。君が極彩色を求めているからじゃない事を、教えてくれる。これらの悪影響は、知らず知らずのうちに、強引に心のレイプをされているのだ。そしてまた、何もない事の楽しさ。地位や名誉のあまりにも、脆弱な本性を、この映画は教えてくれる。「感動とは、人が感動したいと切に思う事からでしか、始まらない事も、教えてくれる」もし、あなたが何かに疲れて、心の中の何かに満足出来ない事情を抱えているのなら、是非、一度、真っ暗な室内で、一人で観て下さい。必ず、観終わった後のあなたは、何かが、前向きになっているはずです。