認知症ケア・対策
柵
15.03.28 02:29
フランスで考案された『ユマニチュード』と呼ばれる認知症ケアが関心を集めている。『見つめる』『話しかける』『触れる』『寝たきりにしない』を要素とするケアの技法だ。例えば、『見つめる』といっても、さまざまな見つめ方がある。車イスに乗る相手に対して『上から見つめる』ことは、“支配されている”感情を引き起こす。正面から、同じ高さで見つめることが何より肝要という。『ユマニチュード』の考案者であるイヴ・ジネスト氏は、この手法には、人と人との間に生まれた『絆』を根幹にする哲学がある、と強調する。『その人がそこにいる、人間として存在しているということに、もう一度、立ち返る必要がある』(『ユマニチュード』角川oneテーマ)と。
10年後の2025年には、認知症の高齢者が700万人前後に達すると予測される。家族の介護負担を軽減し、社会全体で担う「介護の社会化」は、喫緊の課題だ。この実現にあたっては、「人間の絆」という根本からの思考が求められる。人のつながりを強めることが、認知症対策に限らず「地域の安心・安全」の土台をつくることになるからだ。「深い使命を胸に、地域を歩こう」。