排他的経済水域
石井竜也
16.09.13 14:48
今、問題になっている、排他的経済水域とは何かをご説明しましょう。日本は世界第6位の水産国です。漁場も日本ほど豊富に魚が取れる水域を持つ国は大変珍しいし、こんなに食文化が発達している国もまた珍しいのです。領海水域には、三つの世界基準があります。先ずその島から12海里(22キロ範囲)をその国の領海水域と言います。ここに侵入すれば、沈没させられても文句は言えません。そしてその次の12海里を接続水域といい、いわば海上保安庁が争う事なく出て行くよう促せる海域の事ですね。今尖閣諸島を取り巻く問題は、この海域に侵入する多くの中国武装船団への注意勧告なのです。つまり、中国側でも領域の範囲は完全に把握しており、そのギリギリを狙って嫌がらせをしているという事でしょうか?では何故ここまでして、領海を侵犯しようとしているか?それは、日本列島の作りにあるのです。日本の領海水域、接続水域、排他的経済水域は、縦の線を描き、中国を東シナ海に閉じ込めている格好になっているのです。近年の中国の海洋汚染や、軍事的側面から見た中国側の思惑は、自由に簡単に太平洋に出られるためのルートが、日本の領海に食い止められている事なのです。これは、アメリカが日本の領海を決めた事に起因する根深い問題なのです。しかし、これを破られれば、日本の領海はすぐに、中国に取られてしまうでしょう。日本政府が必死に守るのは、この領海を犯し始めた中国側の好戦的な態度なのです。日本は、世界有数の海洋国であり、その領海は、アメリカよりも広い範囲を抱えています。世界の海の中でこれだけ漁場を有する海域を持っている国は他には、数えるほどしかありません。結局、海が日本の食卓を潤しているわけです。豊かな漁場は、山や川の養分にも関係があり、日本の沿岸には、魚たちが生息するに充分な栄養分が流れ込んでいるため、日本の領海の魚は、美味しいのです。食文化だけではありません。領海は、国土を防衛するためのバリアーにもなっているのです。世界の海の領有権範囲は、世界の共通認識として、守られています。これを破れば、世界からの非難の的になってしまうわけです。だから、今の中国の海域侵犯は、世界から非難されているわけです。自分の庭が汚くなったからといって、隣の庭を使う事は、法律で禁じられているはずです。もちろん、これは韓国にも北朝鮮にもロシアにも言える事です。北朝鮮のこのあいだのミサイルの落ちた場所は、完全に日本の排他的経済水域内で、絶対に許される行為ではない事を私達は見守る必要があるのです。国土の狭い日本では、この領海を守る守る事こそが、大命題なのです。海は広いな大きいな〜。そう歌いながら、見つめられる水平線は、だいたい海岸線から10キロと推定されます。その向こうに、日本の領海がまだその倍、広がっている事をありがたいと思わなければなりませんね。しかもその海は世界に3箇所しかない豊富な漁場の一つなのです。尖閣問題、竹島問題は、決して日本人が見逃してはいけない大問題なのが、お分かりになったでしょうか?日本の魅力は海の幸と山の幸が同時に、味わえる環境を維持している事に世界は驚愕しているのです。しかも、これだけの災害大国で、我々の祖先たちは、その恩恵を受けて育ってきたわけです。海は本当に深い意味を持つ我々の心といってもいいのです。