腐った構造。
石井竜也
11.04.30 16:32
東京電力と政府機関との癒着問題は、何十年も続いていた天下り問題の最たるものでした。国民はそれを知りながら、原発の誘致を認めて来た訳です。社長クラスとはいっても、原子炉の何たるかも解らぬままに、鼻高々に私腹を肥やす。推進派の後押しのもと、悠々自適な生活を送っていた。田舎を食い物に、騙せそうな村人から金で買収、過疎地を選んで言いくるめる、詐欺まがいの誘致決定。政府は、それを容認し、人口も少ないから・・・なんて言ってたんじゃないのかな? 専門家は全て核推進派で固めて、反対派をねじ伏せるために雑誌、テレビ、ラジオ、場合によってはインターネットまで買収の嵐。金は余ってるから、ヤルはヤルは、もの凄い洗脳戦略。気がつけば、誰も東京電力初め、電力会社への悪口は一言もこの世から消えた。小さな疑問さえも・・・。「でも、原子炉って危ないんじゃないの?」子供だけが知っていた、本音の疑問。「地震国にあんなもん作って大丈夫なの?」中学生だけが知っていた率直な疑問。それを大人は金で売って来た。・・・・体のいい故郷の販売。3・11の地震で壊滅寸前の福島原発を津波が襲った。想定外のね。警察はその危険性を即察知して半壊した警視本部を引き上げ、新たな基地を設けて被災者の救援体制にいち早く入った。ヘリから聞こえてくるのは、耳を疑うような悲痛な叫び「白煙が上がっています、北に流れています、これ以上近づけません!」慌てた警察側では、即永田町の緊急災害対策本部に連絡、ここからが長い道のりだ、緊急指令を受けた対策本部は早速、東京電力に詳細を聞こうと緊急電話をかけるが、応答は、「詳しい事は解りません」でも、このとき既に、警察側では、相当の爆発音と、どう見ても被災している原子炉を見ている。手順の催促を本部に連絡するも、かえってくる言葉は、「東電は、今調べているから・・・」ようやく、次の日になってから、届いた言葉は、「ただの水蒸気爆発で、炉心や内部に損傷はない模様です」 待てよ、水蒸気爆発って、プルトニウムやウランなんかが飛び散ってるってことだろ? 政府の答えは「ああそうですか、よかった」…これだから困る。原子炉の爆発の確認が入ったら、まず専門家の意見を聞く用意と、近隣の妊婦や10歳以下の子供を中心に、バスでも何でも構わないから、即避難させるのが「世界のルール・常識」。それさえもせず、2日後に出された福島県に無造作に書かれた2重丸。「なんだこりゃ?」俺の最初の言葉だった。少なくとも風の向きや、地形の形で、こんな均整な丸になる訳がない。ド素人だって、このくらいはすぐに解る。計測もままならないまま、1週間が過ぎても自宅待機だと・・・。解る人間に指示系統をやらせた方がいいんじゃないの? この政府機関の判断能力にはもううんざりだ。とにかく早く、まともなものを出してくれればそれで国民は安心だ。