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これで美術の授業を終わります

LOVE DIAMONDS MESSAGE

18.08.17 13:13

画家の名前 レンブラント・ファン・レイン
[1606-1669]
作品の名前
《縁なし帽を被り、金の鎖を付けた自画像》
1633年
油彩、板
70×53cm
署名、年記あり

画家自身を描いた本作品は、ショワズール公爵の売立(1772年4月6日と以後、数日にわたって開催)に出されたレンブラント作と見なされる6点の絵画に含まれ、確かにアムステルダムの巨匠の作品であると常に批評家から認められてきた。画商ルブランは、600リーブルでこの絵を手に入れている。
サインの傍らには、年記として1633と記されているが、この年レンブラントは27歳。ここに顔を見せているのは未だ青年と呼べる人物である。志と品格の高さは明らかである。少し斜めに構えた胸像で、画面中央を少しだけ外した配置は、軽やかな妙技を感じさせる。ここで画家は鑑賞者の目を見つめている。演出は確かなものである。この点から見れば、伝統的にこの板絵のタイトルに付けられた縁なし帽や金の鎖は、ほとんど無駄なものに思える。画家はここで、きわめて内省的な自らのイメージを作り上げている。
レンブラントのこの自画像に関しては、フランドルの先例がインスピレーションの元としてあったと主張されている。疑いなくここにはファン・ダイクの芸術を想起させるものがあるが、ファン・ダイクの場合、自画像は貴族の優雅さを誇示するものであった。一方、レンブラントが自ら描きだそうとしたイメージには、認めざるを得ない才能という観念が満ち溢れている。
それでもやはり、ここでいささかなりとも注がれた努力の成果は、先例であるファン・ダイクとは随分異なる性格のものであることを強調せざるを得ない。たとえ、調和がとれていて見事なものにせよ、それが努力でありうると考えること自体、ファン・ダイクの自画像に自ずと現れている完全な無頓着さと食い違っている。実際、レンブラントは君主国下の生活様式に憧れて、衣装や立居振舞いを採り入れていたオランダ共和国の典型の装いをしている。金の鎖は王族からお気に入りの画家へのよくある贈り物である。宮廷での服装を身に付けた裕福な男性として自らを描くことで、レンブラントは宮廷画家ではないことを露わにしてしまっている。もっとも、彼は自らの芸術に導かれて、公的な肖像画家が企て得ないような自画像の探求に向う。彼自身が描いたものにせよ、他の画家によるものにせよ、レンブラント像の流布は、「黄金の世紀」の美術史における最も重要な現象のひとつであり続いている。


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