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兵士達を弔う市葬で読み上げられた弔辞

KABE

18.08.18 06:09

情報源
川越市立博物館第28回収蔵品展
戦中・戦後の川越の歩み
資料本(700円)

川越市内の5つの国民学校を代表し、第二国民学校(現在の川越小学校)の佐藤校長が読んだ弔辞から、一部抜粋した内容です。これは亡くなった兵士達を弔う市葬の場で読み上げられたものです。

弔辞の日付 昭和19年(1944)12月19日
内容 ○憎い米英をやっつけるのは貴女達第二の国民の肩にもかかってゐますよ。強い意志を持つて、一生懸命お国のためにつくしてください。働いて働いて倒れるまでは、お互いに頑張りませうね。では呉々も体を大切に、親孝行して下さい。又、
○アメリカの子供などに負けないやうに体を鍛え、よく勉強して下さい。又、
○故郷の便り兵隊さんは本当に嬉しく思いました。増産の手の豆、「手のひらをかへしてニッコリ豆のあと」頼母しく感謝してゐます。兵隊さんも戦果を挙げて、ふるさとの皆様によきニュースを知らせたいと思います。
と。
前線の苦しかつた軍物語や、花々しいお手柄などは筆になさらず、唯銃後に感謝し、子供達を激励して下さつた皆様、今はなく、形見のお便り読ませていだだきながら、声がつまつて参ります。
優しい親代わりの隊長殿からの御報告や、親味も及ばぬ戦友からの便りや、職場の学友からの話で知る皆様の尽忠の行ひ、唯々頭が下がります。
我が子を前に、我が子の口から武勲を聞きたい年老いたお父様、夫の日焼けした凱旋姿を中心に、子供達を囲む火鉢の集ひなど、御遺族の御心情に思ひを走せた時、人情の弱さに泣けて来ます。
しかしなから三千年の歴史を貫く八絋為宇の肇国の、大理想実現のための聖戦。しかも皇国存亡の岐路に立つ決戦につぐ決戦の真只中 日本の勝利の為に、郷土川越の立てた尊い護国の人柱としての皆様、家内の名誉、川越の誉、どんなにか本望でいらつしやるでせう。お国と共に無窮である不死のいのちを得られ、永く永く声なく語り消えざる姿としての皆様を思ふ時、お後を継ぎます継がせますとの心構へを固めずには居られません。
おかげ様で学園の子供達は、皇恩に感佩しつつ、お後をつぐべく寒風何のその逞しく鍛えられてゐます。皆様のありし日のお姿を忠霊室に掲げ、朝な夕な感謝の誠を捧げ、敢斗の日々を送り、貴方達殉国の魂はすくすくと育つてゐます。どうぞ安らかに眠り故里の子等をお護り下さることを。



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