夜もお花は咲いている
愛虹ことり魚
20.12.07 20:40
電気を消すと真っ暗で
眠れなくて
目がなれてきて
天井の模様が気になって
見たくないものが見えてしまいそうな
深く息を吸わないとたりなくて
このまま死んじゃったら嫌だな
ひとりのとき少女は
そんなことを思った。
死は恐いものだと思っていた。
死にたくなんかない。
人が死んでしまうのは悲しい。
これが真だと思っていた。
普通だと思っていた。
しかし
それが全てではなかった。
そこには深い闇があった。
何かがあるのに
眼を凝らさないと見えてこない。
耳をすまさないと聞こえてこない。
夜が明けると
鳥のさえずりが聞こえてきて
目に見える色とりどりな世界
その景色は美しくて
見えないところで
泣いている人がいて
どうしたの?
どうして泣いているの?
気がつかないから言葉にできない。
聞かれないから言葉にできない。
言葉にしても
泣き叫んでも
叫び続けても
それは消えてゆくようで
吸い込まれてゆくようで
いかないで
その言葉だけで
生きてゆくことができるのかな。
野に咲くお花のように