一人の人間。
石井竜也
11.05.11 22:49
この2ヶ月間で自分自身で体得した事と言えば、いつもの様に歌う俺がいて、そこに集うみんなの笑顔が作れる喜びを心から幸せだと思う事・・・そのくらいだったんだな。結局東北の人たちに何かしてあげたい一心でして来た事だけれども、「自分らしさ」を出そうと懸命だった自分もいる事に気づいた。そんなもの、何もならない。だったら、MfM LIVEの直後に毛布を5000枚でも送るべきだったと後悔先に立たず。でも、まだまだ道のりは遠い東北の状況。まだまだやれる事があると、心を新たにしています。自分が自然に出来る事を無理なくして行く事こそ、人間がすべき事だと思うのです。それ以上の事は「神様」が成すべき事、人間ごときに、出来るような技じゃない事がようやく、故郷と対面して理解出来た。現実はそんなに簡単じゃないし、単純でもない。でも、東京という何でもあるし、与えられている環境の中では、本当の東北の今の状況や、今までの東北の歴史も理解出来ていない者には、自ずと出来る範囲が決まってしまう。それをおしても「助ける」というなら、100億円を寄付するか、毎日寝袋に寝て炊き出しをするしかない。そのくらい厳しいのではないだろうか? 僕は、自分の「怒りの矛先」を見つけるのに懸命だっただけで、一人の人間としての心が足りなかった様に思うのです。もっともっと、深く物事を考えれば、家族を亡くし、土地も家屋も流され、天涯孤独になった人々の苦境と悲しみは、到底想像もできない。「解ったような顔をするな!」と言われてもしょうがないですね。無理せず、おおらかにいる事こそ、俺の天命。そこで、出来る楽しい事を考えて行く。それがいつしか、東北のためになれば、それでいいのではないか?と考えています。この義援金は、もう少し、ここに貯めてから、冷静に使い道を考えて行きましょう。夢のある、楽しい事に使いましょう。人が優しくなれるような事に使いましょう。一人、一人、みんな違うのだから、環境も性格も、状況も、未来も。だったら、焦る事はない。じっくり考えて、小さな喜びを作りましょう。