福島第一原子炉のメルトダウン。
石井竜也
11.05.15 00:35
そもそも、メルト・ダウンとは、原子炉内が高温になり、ペレットと呼ばれる1センチほどのウラン燃料の小さな固まりが無数に詰め込まれている燃料棒が、普通なら冷水で冷やされているところが、露出してしまい、周りの金属含め融解する状態を言う。これは、「再臨界」というとてつもないエネルギーと、放射性物質をまき散らす危険性がある。そうなってしまうとこれは重大な局面となる。水冷式を導入し、誘致した訳は、日本は島国なため海水を使えば比較的楽に出来る原子力発電だから・・・でしかない。その危険性や、未来、起こるであろう災害への危機感も、危機管理もまったくマニュアル化せず。アメリカの言いなりになって、金をばらまいた結果が今回の事故に繋がっている。海の危険はこの比較にならない。海流というものがある限り、日本の漁業は厳しい局面にある。農業や畜産も悲惨だ。雨の多い季節ほど高濃度の汚染物資が、地中深くに入り込む。すると、浄水場も、川も、水道も使えなくなる。20〜30年後には、がんの発生率が高くなる可能性もある。特に今、6歳以下の子供達が心配だ。彼らは、甲状腺がんにかかりながら、肺に転移して行く、チェルノブイリ型「がん」のスタイルに向かう心配がある。メルトダウンの恐さは、実はこれからなのだ。海に囲まれた日本では逃げ道がない。しかも、この国を海流で囲っているため、海の上空に立ち上がる雨雲には、放射性物質が混在してしまう可能性があると考えてもおかしくない。時に山間部への集中的な豪雨は、異常な放射能のたまり場になるかもしれない。そういう場所がこれから、局地的に福島原発中心に広範囲で起こり始める。特にMOX燃料が使われていたとしたら、これはこの比ではなくなる。こうなると、これから生まれてくる胎児への影響も考えられる。また日本の商品価値は地に落ちていくだろう。産業も輸出許可が下りない事態になって行くだろう。メルトダウンを、政府が緊急会見して、非常事態と言ったのはこういうことを含んでいたという事を良く覚えていてください。今や「浜岡原発全面停止」程度の問題では解決にはなりません。そもそもこれは、国家危機の末期症状である最後通告に近いことを意味しているのかもしれない。まだどの国も、損害賠償的に扱ってはいないが、水質汚染をしてしまった日本の立場が、取り返しがつかないほど悪化するだろう。それでも、放射能汚染は、どこかに消えて行く訳ではないから、近隣諸国の対応も、かなり気をつけてみていないと、とんでもない損害賠償額になってしまうかもしれない。それより、今の医療科学自体に、疑問を感じる。これだけ多くの原子力発電所がありながら、どうして、もっと放射能汚染における医学が進歩していないのだろう。うるさく阻止できないように、原発の危険性を教育しないできたことが原因なのではないだろうか。