11.06.22 18:16

「やってやったんだから、返すべきだろう」こういう気持ちの強い世界がある。その世界では、弱者救済とか、善意の美学とか、他人を思う気持ちとかが、まったく出てこない、地獄のような場所があんです。人間性も、苦境も、被災者への慈しみも、その世界の人には感じません。そういう世界で生きていると、自分の場所の確保と、利益だけが信じられる唯一の天国なのです。天国にいると勘違いしている人々に、「援助」という言葉はありません。そんな余裕も持ち合わせていません。横断歩道で、車にはねられそうになっているおばあちゃんを助けようとして、事故に巻き込まれた若者に向かって「・・・馬鹿な奴・・・」と笑える人がこの世には現実にいるんです。そういう世界で必至に保身ばかりを考えている輩に、「助けて」の声はきこえません。聞こえても、聞かない様にするのでしょう。見返りのない事柄に対しては、絶対の冷徹な判断を下せる「ひとでなし」が見えませんか？そう、その通り、あなたも僕も、わかってる。そういう世界の人の言葉は、とても遠くの場所からささやいている様にしか聞こえない。本当の「醜い」は、「見にくい」。隠されているから。