MIND BBS 〜掲示板〜

人間の英知を超えたもの。

石井竜也

11.10.16 04:05

実際、今回の東日本大震災は、本当のところは、地球という不確実な場所に住むもの達の宿命のようにも感じます。亡くなられた、数多くの御霊が、安らかなる空に溶け込んで行ってほしいと、そう願わずにはいられません。『無念』だったとは思いたくない。そんな風に思ったら、俺たちに膨大な教訓を与えて下さった、犠牲者の皆様のお心に背く事になるでしょう。「私たちの犠牲を無駄にせず、これからの日本を、よろしくお願いいたします」と、僕には感じてなりません。人間はいずれ死を迎えます。それが少々早いか遅いかの違いだけで、永遠なんて摂理は無いのですから、生き残った我々が、未来に手渡す国を考えて行かなければならないのかもしれませんね。一人一人は、小さな力でも、大勢の心が未来に向かって、一斉に蘇生の息吹を発すれば、必ず、何かが違ってくるはず。陸前高田からの、悲しみのお手紙を、そのまま、歌詞に込めて今回比叡山延暦寺に奉納させて頂いた曲は、『貴男を感じて』という曲です。「貴男の面影が、すぐ近くで寄り添ってくれている間は、もう少し、貴男の心を感じていたい・・・そうしてもいいですか?」という言葉には、どんなにか、5月の挙式を待ちわびていたか到底想像もできないですが、この美しすぎる想いを、歌に込めて、天に昇ったフィアンセに届けばいいと、心からそう思います。胸の中の深い希望を一瞬のうちに壊されてしまった、花嫁のせつなすぎる心が込められていますね。どうか、彼の分まで、力強く生きて行って頂きたいと、今はその言葉以外見つかりません。結局、人間など、宇宙の広大さや、地球の営みからすれば、小さな存在でしかありません。その事に、今回の震災は、「謙虚に自然や、自分自身、しいては家族・社会に向き合って生きて行く事こそ、最良の生き方なのだ」と、思わざるを得ませんでした。大きな力は、権力など、つまらないもの感じさせます。ちっぽけで、こじんまりした虚勢でしかない「権力」。その傘の下でしか、物事が言えない、または、その傘で自分を守っている、「いじましい力でしかない事を、自然が教えていますね。そしてまた反対に、人間が作った物なんか、あまりにも稚拙で不完全な物」という事を教えていますね。誰も責める事は出来ませんが、これだけは確かなだと、思います。僕が今夜行ったコンサートは、あくまでも、比叡山・延暦寺/天台宗総本山から、お亡くなりになった数々の人生に対して、行った奉納です。僕はそこで雨が降ってくれてむしろ、良かったと思っております。それも、まるで演出しているかのように、止んだり、霧だったり、小さな小雨だったり、しとしとと降る、秋の世の静かな雨だったりと、コンサートの最中に、流れと同じ雰囲気の風景を作り出しておりました。本当にこれもありがたい自然の恵みだと思えば、僕も皆様も、ある意味、普段経験の出来ない、空間に確かに存在していた事になります。結論から言えば、「生きているからこそ、泣ける。生きているからこそ感動出来る」というその事に尽きるでしょう。恐るべし、比叡山の神秘。僕は、どんなに濡れてもかまわない、傘なんて絶対にささないぞ!と、かたくなにに思っておりました。濡れる事は、今回の趣旨に完全に符合するからです。歌を奉納するという事は御霊を供養するのと全く同じです。そんなに簡単な事じゃいけない。あのくらいの天気で良かったのです。でも、見て下さる皆さんには何の罪も無い訳で、そこのところは、どうかお許しを、天が泣いている事もあるのですから・・・。

最新の発言に戻る

category

【ATTENTION】
当サイトでは、BBS内に書き込まれたURLのリンク先の情報、またその内容から発生するあらゆる問題についての責任は負いかねます。

BBSご利用上の注意