「3日以上はダメ」
石井竜也
11.10.24 21:08
この言葉を、うちの母親に言っている経緯をお話し致しましょう。「他にも、住んでいる人がいるのに、それは言ってはいけないと思う」という意見をもらいまして、軽率だったなと、深く反省しております。多くの人の前で言葉を選ぶ事は、非情に難しく、責任の伴う事なのはとうに承知なのですが、言葉の前後を忘れると、その言葉のみの意味としてしか受け取れなくなってしまいます。実は、実家の土台が左右20センチ以上の傾きを見せ始めているのです。地盤の下に、ちょうど、水の層もあって、ずれてしまった断層の影響が大きいのです。また、もし震度5くらいの地震が発生すると、家がつぶれる可能性を指摘されているのです。そこにもし母親が一人でいたら・・・。1年ごとに足腰も弱くなっているので、 きっと、一人では素早く逃げる事が出来ないでしょう。父の死に目にも会えず、母親も、そん事で亡くしてしまったらと思うと、どうしても、3日以上の滞在は許す訳には行かないのです。家は取り壊した方がいいのではとも言われており、寂しさと、故郷の懐かしさを抱いて、母自身も辛い想いで東京の生活をしている事は十分に理解しているのですが、母親の命の問題と思うと、厳しい選択もしなくてはならない、これも、被災地の現実と、受け取って頂けたらと思います。そして、こうも思っているのです「自分の家族も守れない奴が、基金なんて集めるもんじゃない」だから、つい口をついて、出てしまったという訳です。放射能汚染の問題は、また別ですが、実は、福島には、ほとんどの母方の親戚が住んでいまして、親戚も多くいます。僕が福島の事を、いつも、例に出して言ってしまう理由は、そう言うところにもあるのです。3・11から今日に至る、国の方針の揺れ具合がもたらした、福島県民に対する指示は、あまりにも稚拙です。怒りを通り越して、あきれています。本当は国を挙げての避難支援事業や新しい土地への迅速な避難が必要な場所なのに、未だに「30キロ圏内は・・・」もう、こんな数字がいい加減なのは国民みんなが、ましてや福島の人々はもうそんな状態ではない事は、解りきった事なのです。あまりにも簡単に処理しようとする企業と国の方針には、俺自体、納得いきません。 僕から言わせれば、小さな子供を持った家族だけでも、安全圏内への移住計画を一日も早く実行してほしい。風評被害は、解りますが、まず、人の命でしょ?それが大前提の風評被害です。人命を捨てても風評被害を恐れる事は、順序が間違ってやしませんか?少なくとも、俺はそう思います。今回の発言で、お気を悪くなさった方がいらっしゃいましたら、深く、陳謝するとともに、これからの自分自信の言葉にも舞台に立つ者として、また、被災地に故郷を持つものとして、もっともっと気配りをしていきたいと思います。まだまだ、問題は山積です。こんな事で、くじけたりは致しませんので、俺も、つい本音で話してしまう傾向があります。でも、全ては、被災してしまった、故郷を憂う気持ちからの言葉と受け取って頂ければ幸いです。以後、気をつけた発言を心がけていきますので、何卒、大きなお心でお許しください。