なぜ日本人は記憶喪失になったのか?
匿名
11.11.30 11:11
――他人<ひと>に愛された記憶がないと、成長過程でも人格形成の上でも問題となることが多い。
日本は戦争に破れ二千年の歴史で初めて外国の、異民族の占領下に六年八ヶ月も置かれたのである。
占領が解かれて日本が独立したのは昭和二十七年四月二十八日。
日本政府は一度も主権回復記念日を祝おうとしてこなかった。それだけでも日本人の記憶が消されたことを証明してくれる。
日本のメディアに国籍はなく、他国の主権を日本国の主権より尊重するか、同等に扱う報道で溢れかえっている。日本のメディアが「わが国」という言葉を使用した例に一度も接したことはない。
占領期に於けるGHQの検閲によるメディア統制は苛酷を極め、メディアだけでなく手紙など私信まで検閲され昭和七年から昭和二十年にかけて出版された全ての出版物の中から七千点以上が占領軍によって没収されていた。
六年余の占領期間に日本人は徹底的に記憶を破壊され、占領後の日本に向けても記憶を永遠に失わせる装置を仕組まれていた。
歴史の記憶と記録を削除された日本人は、同時に占領下で完全な「情報奴隷」となっていった。
マッカーサーは暴行、略奪などの犯罪を犯した米兵への裁判権を日本に放棄させ、新聞、ラジオは米兵犯罪の報道が禁止された。
米兵の暴行、強盗、殺人は夥しい数にのぼり占領期間中に二千五百人の日本人が殺されている。
東京裁判で日本は侵略国家に仕立てられ、明白な戦争犯罪である原爆投下や日本各地への絨毯爆撃大虐殺を帳消しにする南京大虐殺がでっち上げられた。
天皇誕生日の四月二十九日に判決が下され、皇太子殿下の誕生日に<いわゆるA級戦犯刑>が処刑された。
にもかかわらず、日本人は日本という国家が世界に愛された記憶と記録を削除されただけでなく、日本人が占領下でそのように虐待され、侵略されたという記憶まで削除されてしまった。
しかしまだ間に合う。
削除された記憶を取り戻すことはまだ可能である。
西村幸祐 <誰も教わらなかった日本近現代史>世界に愛された日本