本当の優しさ
石井竜也
11.12.09 20:12
「思いやり」だの「優しさ」だの、「愛」だの「心」だのが、歌に、軽々しい程に一杯使われています。だけど、こういう事も「クセ~ヨ」とか「ダセ~ヨ」とかの言葉で、汚されてしまうのなら、この国の民意は低いとしか言いようがないですね。今のこの現状、誰だって、なにがしか出来る事はないか?と、思うのは当然。それは「唄うたい」だって同じです。その人は被災地のために、自分に出来る事は、やってみようと、それなりに必死で、取り組んでいる事でしょう。そう言う気持ちで作った作品に良いも悪いもありません。有名であればある程、ひやかし、売名行為だの、偽善者だのと、いわれもない事を叩き付けられる事もあるでしょう。でも、俺は、それでも、歌っている奴らを「たいしたもんだ」と言ってあげたい。なかなかこの厳しい状況で、そうした歌を作って発表し、歌っている若者達には、敬意を評します。言葉はまだまだと思う曲も多数あるけれど、一生懸命さは、ちゃんと伝わってきます。俺たちの世代は俺たちの表現で、若者は若者達の表現で、その違いはあれど、気持ちや心は一緒だと思うのです。やっぱり、今の日本の状況の苦しさは日本に住んでいる人しか解りません。だから、この国のアーティスト達がこの国の悲しみを少しでも、癒すように、語りかけるように、世代を超えて、いろいろな歌が出来ていることは俺は凄いと思います。人情に厚い国に、今、戻っている感じさえします。今の被災地への数々の応援ソングに「嘘」はないと、信じています。みんな、自分に出来る事を、必死で模索しているんだと、思います。俺は、こういう時代が今である事に、「誇り」さえ感じます。こんな災害でもなければ、きっと、俺たちは、「ウソッパチの経済大国」という甘い場所から抜け出せなかったでしょう。そして、愛国心が自分の中にもあったという事や、いかに政治が大切であるかという事にも気付かなかったでしょう・・・・