MIND BBS 〜掲示板〜

それぞれの事情。

石井竜也

12.01.21 04:18

「人」には、それぞれの事情というものがあって、簡単に語れる事もあるし、言葉にするのもはばかれるような気持ちになる事もあります。一人一人が違うのです。当たり前のように思いがちなこの事を、意外にも日常では、自分の目盛りを基準に考えてしまいがちになる。そう、人を知る事はそう簡単な事じゃないんですね。今回の「被災者」と一緒くたに言われがちな人々も、それぞれの恐怖や不安は全然違うのだろうと推測されます。大切な友人知人をなくされた方、兄弟をなくされた方、父親をなくされた方、母親をなくされた方、その両方をなくされた方、お子様をなくされた方、奥様とお子様を同時になくされた方、親戚友人のほとんどをなくされた方、祖父をなくされた方、祖母をなくされた方、その両方をなくされた方・・・本当に、ご冥福をお祈り致します。そして、阪神淡路大震災でも、全く同じように、大切な人々をいっぺんになくされた方も多いと思います。17年が長いか短いかなんて、大切な命をなくされた方のお心を思えば、時間じゃないですね。そして、福島の問題。津波と地震と、メルトダウンの恐怖、それに続く余震の応酬。おそらくその度に原発の恐怖を味わっているであろう福島で生活なさっている皆さんの日常の心中を考えると、胸が締め付けられるようです。まさに福島で今起きている事は、チェルノブイリでも、スリーマイル島でもない、人類、初めての危機な訳です。大きな政策的なミスと自然災害のあまりにも大きな力・・・そして何より、曖昧な人類の科学のなんと危険な事か。そんな中、大切なものを残しての避難生活を想像すると、あまりにも大きな事態に言葉も出ません。「人」は、「人」と何らかの繋がりを持ってこそ、生きていられるのです。それが家族であったり友人であったり、恋人であったり伴侶であったり、子供であったりと、心のよりどころをもって、それをして人は「しあわせ」というのかもしれません。しかし、そんな中でも一番、人々の暮らしを見守り続けてきた、故郷の崩壊は、この誰しもが同時に考える「悲しみ」だと思います。これはこの国の悲しみと言っても過言ではないんじゃないかな?

だけど、人は、どんなに苦境に立たされようと、生きていかなくてはならない。時に、生きる事が無意味に感じる程の絶望感もある事でしょう。でも、やっぱり、この世に命を授けられ、生きている以上、「人」は、前を向かなければならない。そうじゃなきゃ、未来も来ない・明日も来ない・夢も見られない。「人」は夢を見ながら未来を創造する生き物。夢なくしてよりよい未来も来ません。俺は今まで大人と子供に分けて考えていました。でも、それは大きな間違いです。子供の中にも大人はいて、大人の中にも子供はいるのですね。「心」とはそう言うものです。それぞれの事情は違っても、同じ国で生活し、生きている訳です。巨大に言ってしまえば、みんな兄弟・姉妹のようなものです。誰かが苦しめば、誰かに跳ね返ってきます。それがこの地球に暮らす我々人間の繋がりなのでしょうね。都合の悪い事を忘れようとするのではなく、受け入れるようにする事で、人の心は随分と豊かになれると信じています。そう・・・これは、まさにあなたの事であって、俺の事でもあるのです。

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