僕は自分を責めてなんかいませんよ。
石井竜也
12.02.21 16:20
時折人は、自分の想像の範囲を大幅に越す経験をすると、一種の無力感に苛まれます。こんな事は、行く前から覚悟していた事、大船渡の状況も知識としてはありましたし、自分にも言い聞かせていました「これは自分のために行く事」誰のためでもなく、自分が選んで、自分の意志で行く訳だから、せめて被災者の皆さんや、お亡くなりになった多くの御霊にだけは失礼のないよう、心を込めていこうと、随分と前からの覚悟でしたから、皆さんが心配する程、落ち込んだり、パニックになったりしている訳ではありません。ただ、自分のような華々しい世界の人間が、苦境のど真ん中にある街を訪問しても、いいものだろうか?とも考えてしまうのです。もちろん、どこまでいっても、当事者以上の心の痛みは感じる事は出来ません。でも、全く行かないで、それを想像するだけであれば、皆さんから集めたお金や善意に対して、机上の空論になってしまう。時には、自分から状況に飛び込んでいく努力もしなければ、皆さんの良心から集められた貴重なチャリティーも、底の浅いものなってしまいます。だから、むしろ、「こんな『弱虫男』がよく、大船渡や南三陸まで行った」と、自分を褒めたい気持ちなんです。ですから、どうかご心配なさらず、『オイシイライブ』でも見て、楽しんで下さい。この谷村さんとの旅は、僕にとっての試練でもあり、使命でもある訳ですから、どんな事になろうとも、現場に直接「歌」を届けるのが当然。当たり前の事をしているだけです。ただ、人間には出来る事と出来ない事があるという歯痒さもあるという事です。今回の記事で随分と、僕が落ち込んでいるとお思いになって頂いた方々に申し訳なく思います。どうか、俺の事なんか忘れて、ご自分の楽しさや、未来、夢や誇り、これからの人生を考えてください。この度は大変ご心配をかけて申し訳ありませんでした。ちゃんと復活していますので、御心配なく。