名無しの『死にたい』さんへ
石井竜也
11.03.21 12:25
アナタがどこで、どういう状況にいて、どのような理由で死にたいとお書きになったのかが解らないので、石井の陳腐な言葉がどれくらい、アナタの心を穏やかに出来るかなんて、さっぱりわかりませんけれど、「死にたい」というからには、相当な苦境に立たされているのかもしれませんね。いずれにせよ、この場所に「死にたい」と書き込んでくるアナタの事だから、相当の精神的なダメージまたは、ショックを受けたに違いないと思い、取り急ぎ、俺個人の意見を書かせて頂きます。
生きていれば、確かにいろんな事が起こります。「おじいちゃん」も「ひいおじいちゃん」の時代もその前の時代にも、戦争や大災害に見舞われる経験は絶対にしていて、そういう時代と変わらない混沌がこの大災害の現代にも渦巻いているように思います。今度のような大災害にもいろいろな人生が交差していった事でしょう。アナタにもきっと、相当の人生規模の破壊・崩壊が起こったに違いありません。
しかし、たった一人になったとしても、人間には生きる責任があります。人間が生きているという事は偶然のように見えて実はとんでもない必然が重なってアナタに繋がっている事をもう一度、考えてみて下さい。
命は、命を作り、また他の命を助ける事もします。人間は所詮「馬鹿な生き物」です。でも、泣いたり笑ったり、怒ったり、がっかりしたり、いろんな表情をつくりながら生き抜いていく道を常に探し続けなければならない生き物なんです。愚かな生き物かもしれませんが、愛情や友情、優しさや思いやり・・・今のアナタには、「きれいごと」にしか聞こえない言葉の羅列かもしれませんが、でも残念ながら、まだまだ人間の精神の奥底にはこういう「綺麗な場所」が意外にもまだ沢山あるんです。
俺はアナタに「死ぬな!」なんて、怒鳴れません。それは、この俺も一度・・・いや何回も、死のうとしたからです。だから、『死にたい気持ちがわかってしまうんです』。だから、それが楽ならしかたがない。でも、俺の場合、死ななくて本当に良かった。死なないでいたから、今のような事が出来ているし、酷い事も見るけれど、素晴らしい事も見れる。人生は、足し引きゼロです。
どうせ、そんなに長くは生きていられない。だったら、もうちょっと、死ぬ時まで待ってみては?どうせ、どっかで死にますよ。アナタが望まなくても・・・。事故やあらゆる病気、殺人、戦争、大災害、エトセトラ・・・。自分で望んでいなくたって、死んでしまう場所は、どうせ、すぐお隣にあるんですから。いま、慌てて死に急いでも、どうせ、アナタの人生自体、あと10年も無いかもしれませんよ。だから、今を生きてください。
もうアナタは気がついている、社会や世界はそんなに「きれいごと」じゃ通用しないってことを。だったら、もういいじゃない。それが分ったんだから。いまさら、死に急ぐ必要がどこにあります?アナタは純粋すぎるんです。「純粋」は、時に邪魔になる事も社会には一杯あるんです。
でも、俺だって、自分を汚いなんて思っちゃいませんよ。まあ、綺麗とも思ってないけど・・・。俺はアナタが立ち上がるのを見たい。このどん底からはい出してくるのが見たいんだ。クソまみれになりながらでも、はい出してきたアナタが見てみたい。生きているアナタがスックと立ち上がる瞬間が見てみたいんです。
余計な事だったらごめんなさい。「所詮、おめえみてえなおスターさんには、解らねえよ!」と、言われても結構。多分、アナタより、俺の方が、苦境だったはずなのが解るから。俺、弱いんで・・・。