12.07.29 00:08

世の中にはある程度の裏表もある事くらい、一端の大人なら分からないでもない。でも、それは、最低限の社会悪であって、極悪のことではない。癌になっても、告知して欲しいと思う人と隠していて欲しいと望む人がいるのは、しょうがない事。本人の願いを打ち砕くような事は、誰の権利でもない。いろんな手酷い仕打ちを乗り越えてきた我々日本人にとって、複雑な文化形態や敗戦後の教育システム、敗戦前と敗戦後の社会に対する急激な関わり方の変化は、70年経った今でも実は、日本人にしっかりと根付いてなどいないのが現実ではないだろうか？いくら我々が器用に社会構造を変えようとしても、日本の根柢を変える事は出来ないのではないか？と思う。2０００年も培ってきた文化形態を、たった6~70年でまるっきり変えられるわけもなく、そこには、変わりきれないジレンマと未だに旧体制然とした、どうにも変えようもない慣習が分厚く覆い被さっているのではないのだろうか？これは戦争に勝った負けたの問題じゃ無くて、我々日本人の素養の問題だと思うのだ。だから、「日本的正義論」も、浮かんではこないのは、あたりまえだと俺は思う。実はこの国の資本主義、民主主義体制だって、信じられない。つまりは、「どうしていいのか、わからない」と。確固とした自由主義国家の形をなしてはいないのではないか？とさえ、この頃、思えてきた。「確実なるこの国の理念が示されていない場所に、果たして正義を定義できるのだろうか？結局、国の根幹を構築しているのは、実は個人個人のモラルしかないように思う。要するに今の我々に秩序を求められても、混迷と混沌がこの国を覆い尽くしているかぎり、社会的、政治的 、「正義感」など湧いて出てくるわけもないのではないのかな？そうだとしたら、随分と俺たちは、危ない地面に立っているとしか、言いようがないな。