光は、闇の中にあるから素晴らしい。
石井竜也
12.09.03 23:43
確かに、人間の心理の中には、闇と光があり、闇に支配されそうになる事の方がこの世界には満ちあふれていると思うんだな。光なんて、ひょっとしたら、死ぬまで拝めないかもしれない。だけどね、何度も言うようだけど、闇と思えば、光も飲み込んでしまう程、闇になっちゃうよ。小さな光も冷たい、脆弱で、陰湿で、薄暗い場所では、ありがたく感じるもんだよ。だから、救われた感覚ってのは、「九死に一生を得た」という程、大袈裟な状況じゃなくても、意外にも、身の回りにはあるもんだよ。幸福なんか、少しサ・・・どんな時代でもね。ほんでもって儚いもんだね。でもね、頑強で強固な幸福なんて、君は求めているのかい?だいたい、そんな幸福ってどういうもんよ?俺には、想像すら出来ない。俺なんか、トムソンガゼルの標本用・頭蓋骨が家に届いただけで、1ヶ月は、はしゃいでるよ。俺にとっちゃあ、こんなカッコイイもんは、他にないとさえ、その時だけは思っちゃうんだな。ツノなんか、触った日にゃあ、キャッキャ・・騒いじゃって、もうこの世がすっかり、変わっちゃったくらいの喜びに満ちるね。見つめていると、ガゼルがなぜ、あんなにもジャンプ力をつけたのか?がわかる。首の構造が、水平を維持する角度についているため、上からの重力を分散出来るように進化している事が、首と、頭蓋骨の付け根の穴を見ると、よく解る。しかし、これには、二つの弱点もある。まずは、ジャンプをしながらの走法は、相当体重を軽く保たない限り、出来ない。100グラムでも、太れば、自然の中じゃ、生き残れない。それと、角の重量。彼らの体型以上の分厚く強固な角は、スピードの障害になる。捕食者を急激な方向転換で交わすのにも限界があるため、ガゼルは、以外にも、簡単に捕獲されてしまう。そこでこの首の付け根の華奢な作りが、命を落とすキッカケになるのだ。ネコ科の捕食動物は首を狙う傾向があるため、ジャンプに特化した首の作りに、弱点があるのだ。ではなぜ、そんなに無理な角をつけているのか?と言えば、それは、自分のハーレムや、群れのメスを奪い合うための・・・言い換えれば、虚勢を張るためのご自慢なんだな。こういう風に考えていくと、いかに自然界に於いて、セックスをして、子孫を増やす事が、どんなに大切な行為かが解ってくる。それはそれは、切羽詰まった状況での進化の選択だったのではないかな。人間も同じ道を実はたどっている。それが、スーツだったり、車だったりしているだけで、異性に興味を持たれたいあまりに、自分の生活を飾り立てる所なんぞ、そこいらの動物とそんなに変わらない。我々は、毎日実は着実に進化しているんだ。こういう時代になったからには、こういう地球で、生きる進化を始めなければならないのかもしれない。・・・いや、その進化はもう既に、自分の身に危険が迫った瞬間から始まっているのかも?・・・何億年も掛かっていたら、とっくに絶滅してしまう、絶滅しないためには、環境に適応する体と精神を出来るだけ早く持たねばならないかもしれないな。しかも、その変化はもう既に、子供達や、その子供達を媒体にして、一気に加速して行くのかもしれない。制物の研究も宇宙の研究も実は、まだ全体の1%も科学では理解不可能な事ばかりなのだろうと思うよ。