劣化ウラン弾の悲劇は・・・。
石井竜也
12.09.14 13:55
『劣化ウラン弾』の恐怖は、いまも、2世代目のイラク人達に強力な、悲劇を起こしている。劣化ウラン弾とは、原子力発電所で出た放射性廃棄物から、プルトニュームだけを抽出して作る、通称『汚い爆弾』(DIRTY BOMB)と言われている非常に危険きわまりない爆弾の事だ。爆弾は散弾銃のように、プルトニュームをふんだんに含んだ鉄の玉が、一発につき何千個も入っており、一気に四方八方に飛び散る仕掛けだ。もちろん、瞬間の殺傷力も、半端じゃない。アメリカがこれを使う事は、他の国もまたこれで応戦するという事だ。プルトニュームとは、核廃棄物の中からでも抽出可能で、その影響は10万年から30万年に渡り、その地域を、汚染しまくる。こんな兵器を戦争で使用するという事は、その場所を占領するどころか、誰も入れない土地にするという事だ。現実に、イラクに派兵されたアメリカ兵達の間でも、今になって、原因不明のウランによる放射能汚染であろう、影響が出始めている。そもそも歩兵達が、戦車の横を通る際に、劣化ウラン弾のいちばん近くを歩く事になる、キャタピラの影に収納されており、その部分の、保護や確実な放射能の遮断等はされていない。故にその横を歩兵が歩けば、確実に被曝する。一台の戦車に、24基積まれている劣化ウラン弾の放射能や放射線は、通常の何万倍であり、アメリカ兵の命すら奪う爆弾だ。おそらく、世界でいちばん今の状況で、敵も味方も殺傷するという意味では、まったく非人道的かつ、意味のない、汚い兵器である。2世達の身体は、非常に言葉にしがたく、ここでの表現は控えるが、あれほどの残酷がこの世にまだ存在する事が、恐怖をかき立てる。アメリカという国の常軌を逸した行動は、古代ローマ時代によく似ている。ローアの滅亡がどのように衰退していったかは、歴史を見れば、歴然としている。結局、巨大化した国を維持するために侵略に次ぐ侵略を繰り返し、最後は、広がりすぎた領土を、掌握しきれなくなり、街をを作るために森林の伐採が行われ、自然破壊の要因も加わり、滅びていくのだ。「ペルシャ軍に包囲され・・・」というのは、実は、本来の意味が違って伝わっている。ペルシャ軍が、ローマを包囲したときには、既に、ローマの街は、慌てて築いた高い塀に囲まれ、ほんの何ブロックかの城塞の中で、人々はひしめき合い、疫病と、飢餓が起こっていたという。そんな脆弱になったローマを、大ペルシャ軍が滅ぼすのは、「滅ぼす」という言葉が違っている。結局、ローマは自滅したのだ。人間の住めない環境を作れば、答えは明確。滅びるのだ・・・悲しいかな、簡単な方程式である。劣化ウラン弾の悲劇は、日本でも他人事ではない。我々もまた見えない恐怖との戦いが始まっているのだ。これは恐怖を煽る文面かもしれないけれど、私たちが、覚悟しなければならない、現実なのだ。ここからいかに、日本の国土を、安全な場所にしていくか?は、福島の原発事故の収束を早急に実現し、完全に押さえ込むほかない。どんなに非科学的な方法でも、あそこから出ている放射能生成物を押さえ込む対策を、早急にするべきだ。それをしない政府の責任と、東京電力の責任は、滅亡論の比ではない。ましてや、この小さな国に、アレだけの原子力発電所の数・・・考えただけで、身の毛もよだつ。この文章を読んで、「しょうがない」とあきらめるか?それとも、どこまでも、この国に住む者として、責任ある行動に移すかは自由だが、確実に、毎日、放射能は出続けている現実は、逃げようがない。こういう危険は世界中にある訳だから、世界中の英知を借りて、この急務に専念するべきだ。今年、いわき市では、勿来海岸が海開きをした。小さい子供を連れた家族連れや、若いカップルでにぎわっていたという。・・・あの海で・・・一体、人間をなんだと思っているのか?人命と財産を守るのが国家の役割ではないか?大きな疑問と不安は、誰の心にもあるはずなのに、何も出来ない自分が歯がゆい。この国の子供達の未来は一体どうなる?・・・・いとも簡単に使われる核攻撃の実態は、危険と隣り合わせの者と知りながら使う、まるでゲームのようだ。死んでもすぐに起き上がれるとでも思っているのだろうか?現代人の病気が出てきた時代だな。