のどの潤い。
石井竜也
12.10.05 22:01
体中の水分がまるでなくなって、シワシワにでもなったように乾いてしまう気持ちがあります。心に奇麗で純粋な水を流しましょ。今の貴女には、きっと、それ以上のものはいらないかもしれない。欲しいもの、憧れるものはいっぱいあるかもしれないけれど、とにかく、今貴女に必要なのは、のどを潤し、心まで届くような「水分」かもしれません。僕の言っている『水』は、単なるペットボトルの水を言っているのではなくて、心を潤し、体中の楽しさをふつふつを沸き立たせ、感動で子供みたいにはしゃいだりする、『貴女自身の持っている高揚感と感動を含んだ水』の事です。もし、その水の一端が僕の曲であったり、コンサートであるなら、僕は、いくらでも、貴女の気持ちに水を送るために歌いましょう。だって、貴女は、何かを紛らわせたくて、「何か」から少しだけ遠くに行きたくて、あるいは、ほんの少しの幸福感を味わいたくて、バスに揺られ、飛行機に乗り、または長い列車を流れる空を見つめながら、このコンサート会場に来てくたんだもの。貴重な、自分の時間を、人生の時間を、僕の音楽やステージのために裂いてくれて、やっとこさ、ここまで辿り着いたんだもの。一生懸命歌わなくちゃ、バチが当たりますね。一人一人の生き方があり、一人一人の事情も違う者同士が、同じコンサート会場でその全く違った人生を交差させる瞬間。僕のコンサートは、単なるステージではなくなるのです。そこはまさに、皆さんの夢に覆われた特別の空間に変貌し、貴女の座席から僕の立っているステージは、心で繋がっていくのですよ。ましてや、音楽は、空気の存在が不可欠。空気が振動するからこそ、皆さんに届く。そして、いつしか、自分でも不思議なくらい音の中に埋没している事に気がつく。心が潤うときは、人間の顔は高揚し、純粋な表情になります。大好きな空間に身を委ねて、大好きな音の中に埋没する時、貴女は一つの生き物から全く違う生き物へと変貌し、身体は椅子にあっても、心は空中を浮遊するような感覚になります。人間には、日差しと水が必要です。しかし、その二つには、感動と、夢が詰まっていなければ、乾いた身体は潤せませんよね。俺の声が少しでも貴女の心に届いて、君が少女の様に、自由に感性を羽ばたかせる事が出来るのなら、俺のコンサートでは、それ以上の成功はありません。一生懸命、時間をやりくりし、一生懸命、応援してくれる君の横顔は、何よりの俺の栄養剤です。人には大好きなものだったり、なんでもいい、どんなものにでも没頭出来る物がある限り、「どん底」を味わっても「這い上がれる力」は出来ます。心底楽しい空間を作る事は、僕の夢です。だから皆さんは、僕の夢を見てくれているのです。これを、本当の「水」というのではないでしょうか?これからも、「心の水」を大切に大切に、作っていきます。