なぜ、俺がここまでするのか?
石井竜也
12.10.15 23:00
GROUND ANGELを続けていれば、「大きなお世話」「売名行為」「エエカッコしい」「正義の味方か?」「ただのイメージ・アップ」「米米のくせに」など、お𠮟りになられる方々がいらっしゃる事も覚悟しています。しかし、俺は自分の見た光景を信じたい。苦しんでいる人々を間近に見てきた方々の自己努力の尊さに感銘し、心打たれるのです。自分は、何を言われようが構わない。もちろん今まで、ことごとく憤慨された事はないのですが、世の中には、いろいろな意見がありますし、また、当事者の方々の口では言うことの出来ない苦しみもある事でしょう。だから、俺は黙々と自分の信じる所を進むしかありません。自分が見聞きした苦しみに、少しでも手が貸せたら・・・自分の今の位置でしか出来ない事もきっとあると信じて、今まで行動してきました。だから、何を言われようとも、GROUND ANGELは続けていきます。白血病の子供達の表情を、僕は、この目で親父の入院する病院で見てしまった。だから、この福島の放射能の問題にも、こんなに憤りと、心配をしているのです。決して、他人事に思っていないからです。こういう気持ちを、誰かに押し付けてはなりません。全てが自分の責任です。何か不手際があったのなら、即刻、この業界から消えるしあかりません。それは大人として、一社会人として、当たり前の事だと思っているからです。俺には、27年に及ぶキャリアと、応援頂いている、大勢の皆様の期待もある。だからこそ、出来る限り、自分の肌で感じる事に集中して、事を起こしてきました。このコメントは、何か問題が発生したから書いている事では決してないので、ご安心を。これは俺自身の今の気持ちを正直にのべているのに他なりません。正直、GROUND ANGELの活動は、本当に難しい極面もある。だけども、実際に現場で必至に命をつなごうと、歯を食いしばっている子供達がいる事を知ってしまった以上、何か役に立ちたい。こんな俺みたいなチャラ男が、言う事じゃないかもしれない。いや、かえって不適切、ご無礼かもしれない。だけれども、その現場は、本当に生き地獄です。その中で必至に生きようとする人々がいるんです。こんな気持ちをどうか解って頂きたいだけです。俺の単なるわがままにしか思われないのは、最初から覚悟していましたし、何を言われても仕方のない事と自分に言い聞かせながらのこの10年です。いつか、俺も出来なくなるときが来るでしょう。そのときに、一人の命でも、救う事がこの活動を通じて出来たのなら・・・。せめて、歌う事で気持ちが穏やかになって下さっていれば、俺はそれで、満足なのです。誰だって、本当の答えなんか解らないです。人間なんですから。たいした学歴も脳みそも持っていない俺のような者が出しゃばっても、世の中、何にも変わらないかもしれない。だけど、突き動かされている自分に嘘をつく事は出来ない。未来は、大切な子供達の時間です。俺たちだけの時間ではないのです。東日本大震災で学んだ大きな事は、一人が出来る事は意外にも大きいと言う事。そして、災害は、その時より、時間が過ぎた時の方が、過酷だという事。2度と戻らない命を、俺は絶対に忘れません。そして、今なお、苦しみと戦っている福島の現実を、俺は絶対に忘れられないんです。そして、悲しいかな、福島の本当の現実はこれからなのです。20ミリシーベルトを基準値にしていた当時の文部科学大臣と原子力安全委員会のお偉いさんの責任のなさと、国政がとった行動を、絶対に忘れちゃ駄目だ。そして絶対に許しても駄目だ。アレは過失ではない。無知と関心のなさと無責任が引き起こした、人災なのを、絶対に忘れてはならない。こんな事が、この科学的に世界をリードしてきた日本で起こるというのが、何とも皮肉であるとともに、経済理念からでしか、現状が見られない現代の社会構造を、俺たちは本当に危険であると感じた方がいい。もう今更、誰のせいだの、誰の責任だのと言っても仕方のない事だけれども、その時点での初動を少々野蛮でも、人々の命優先に出来なかった国の中央には、もう、言う言葉が見つからない。これから5〜10年で、福島や関東近郊で、発症するであろうと言われるがん患者。こんな状況を、見過ごす事が出来ますか?未来の問題どころか、今現在の進行形の問題なんです。全く放射能研究は、進んでいないという事実。もちろん、その対処方法も医学会自体に相当の専門知識を有する医者が非常に少ないという事。この恐ろしい時代に、俺は歌う事ぐらいしか出来ない。・・・本当に申し訳ない。