あまりにも一致する時系列。
石井竜也
12.11.06 14:34
2011年3月11日、2時46分。東北を中心とした巨大な地震が東日本を襲う。その数分後、今度は、1000年に一度と言われるほど大きな津波が起こった。被害は予想を遥かに超え、日本の経済状況まで疲弊してしまうほどの損害だった。犠牲者は、日に日に増え続け、日本中が悲しみと放心状態に包まれた。翌朝、その大惨事は起こる。福島第2原子力発電所の原子炉が吹き飛んだ。日をあけず、今度はほかのすべての原子炉に甚大で深刻な爆発が起こり、ついに、18日には、メルトダウンの危険性までも語られる。これは既に、『有事』だ。戦争と同じ状態であり、誰が見ても、国家の存亡の危機を実感させられた。政府の初動は、明らかに常軌を逸していた。中央の指揮系統にいなければならない総理大臣は、現地ではなはだナンセンスともとれる現場指揮を始めるし、避難状況は、遅々として進まかった。誰が見ても、北日本の危機的な状況は、明らかだったし、それが国家の中央や、専門家たちが感じていなかった訳もなく、現地避難勧告を即時出すような状況なのにも関わらず、テレビには、ただきれいな丸が書かれた何キロ圏内等とふざけたデータが踊るだけで、何が起こったかは、今もってはっきりとはさせられてはいない。即座に包括的危機管理能力のある有識者や官僚等からなる緊急内閣を発足するのが本来の処置。総理大臣は、応急処置をするために司令塔でなければならない。東京中のバスを使ってでも、即時、15歳以下の子供たちや妊婦さんを中心に、県外移動を、強制的にでもさせなければならなかったはず。原子力災害対策特別措置法という法律が本来あるのに、それが原子炉保安委員の円滑な行動もないまま、放置された。この罪は、ホロコーストに近い罪だ。それからの、東京電力の心ない対応と、その天下りの放射能汚染状況の把握のなさと責任のなさには、誰もが、口を開けた。出てくる者すべてがド素人という体たらく。何一つ真実みのある情報も隠蔽なのか、本当にわからないのか?いたずらにコンフューズさせるだけの無駄情報ばかりが、日本中を翻弄させた。危険濃度の値は、20ミリシーベルト?即、訂正が入り、当時の官房長官は、「直ちに危険はない」の一点張り。のちに彼は「国民の不安を沈めるためだった」とうそぶいた。そのときの状況を思い出すと、あいつの顔がテレビに出るだけで、不安が溢れ出したのを覚えている。人間は、精神や意思のある動物だ。嘘や虚構の情報は、意外にも身体で感じてしまう。どうにもこうにもならなくなった追いつめられた内閣のする事は、もっと別の国民的事件を作る意外にないように思われた。そして急に浮上する『竹島問題』。まるで、放射能事件をから国民の意識を逸らせるように始まった、うまくいっていたはずの突然の韓国との確執。それでも、次々に出てくる東京電力に対する損害賠償請求の嵐、政府は今度は、石原都知事が小さな火をもっと大きくすべく、中国に大きな火をつけ始めた。これで完全に、国民の関心は、2分され、いつしか、20ミリシーベルトも、デタラメ委員も、助かった。これを見ていると、時系列に並べた事実は、意外にも、目くらましの国民感情の飽和状態を作るための煙幕のように広がらせる計算が見えてくる。2001年の9月11日のアメリカ同時多発テロは、ブッシュ政権下でも、リーマンショック、サブプライムローン崩壊劇と続いた経済的窮地の目くらましに使われていた事を思い出す。未だにあの事件には、いくつもの矛盾を感じてしまう。浮気をごまかすなら、もっと大きい事件を起こせばいい。・・・これは俺の友達が、皮肉にも、この一連の事実に当てた比喩だが、実に言い当てているように思われてしかたがない。このあまりにも、普通では考えにくい細かい事件(国会内部でのつまらない党派同士の攻防)、国の危険時期をやり過ごすための、時間稼ぎ。原発を乱発させた党と、事故に収束を付けられない愚かな党のらんちき騒ぎにしか見えないのは、おそらくこの国の人間だけじゃないはず。考えてみれば、最大の技術革新を促す国と思っている日本に、バブル崩壊間近の中国が、あそこまで強行に、それも世界の目があるなか出てくるのも不自然だし、韓国の経済を下支えしている日本に、領土問題でブーブー言ってくる韓国政府にもどこか、不自然さを感じる。これが、すべて各政府の己らのふがいなさを隠すための画策だとすると、悲しいかな、全部、納得できるのが怖い。