MIND BBS 〜掲示板〜

「瓦礫」なんて言い方はよしましょう。

石井竜也

13.02.01 20:03

アレは人と同じです。皆さんがニュースや、ちょこざいな昼時の生臭い番組で言っている『瓦礫』という言い方は、被災地では、どうしようもない気持ちになります。まるで自分たちがこの国に悪い事でもしたか?のような呼び名。あの山の一つ一つは、亡くなった方々、あるいはそこで生活していた人々の人生のかけら達なのです。全てのパーツに思い出と、愛着があったはずなのです。我々はもうどのくらい前から、使い古した物をゴミとしか言わなくなったのでしょうか?おじいちゃんの時代は、「先代の残してくれた物」として、仏壇だろうがタンスだろうが、それこそ着物とかも、ありがたく使っていた時代があった。友達の家に行くと、必ず壊れたイスが、違うパーツを組み込まれて使われていた。それが当たり前だった。それを見て貧乏とも思わなかったな。ましてや俺のような変わった子供は、その工夫のある生活に感動さえしたもんだ。近海の漁場では、よくビニール製の「浮き」が流されて砂浜に打ち上げられていたのを覚えている。球体好きの俺は、必ず、それを家に持ち帰って、色を染めたり、夏休みの作品のロボットの頭部につかったり、したもんだった。考えてみると、古い物はアンティークという言い方もある。俺は瓦礫と聴くと心が痛くなる。せめて「思い出山」と言ってやってくれ。「思い出山」は、いまも、手つかずのまま、放置され、木片は土に帰り、ビニールや、プラスティックだけが鉄くずと一緒に、風に震えています。もう、その風景に慣れたと、思いますか?ある写真家の作品は、手前に仮設住宅が建ち並ぶ向こう側に「思い出山」が4っつも5つもそびえている風景を写していました。この写真は、絶対、ここに住んでいる人がとった物だと直感しました。昼下がりなのでしょうか、妙に、霞がかかったように山はそびえ、その向こうに海が見えます。被災地の日常の風景です。ニュースは、新しいショッキングな物へと、大災害さえ遠くの記憶にして行くのでしょうか? 放射能の恐怖は、どこに行ったのでしょうか? 貴女は、北朝鮮の動向が、福島の放射能よりも怖いと思いますか?今、まさに口にしている食べ物は、大丈夫なのですか?ついこの間まで言っていた5ミリシーベルトとか、セシウムとかストロンチウムの雨とか、ヨウ素131や137、ガンマ線やアルファ線は、今でも、強力に出まくっているのを、知っていますか? 昨日の茨城沖の震度5は、かなり危険水域だった事を忘れてはいませんか?「瓦礫」と言葉で言われた物は、何も利用されずにただのゴミという事になり、捨てられ、燃やされ、おまけに煙たがられ、嫌がられます。だったら、そこに埋めて防波堤を作る方がいいに決まっている、壊されうずたかく積まれた防波堤は、そこに住む人々を、また起こるかもしれない津波から救ってくれるかもしれない。・・・それが本当の『思い出の山』です。『瓦礫』はあんまりです。

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