SOSの話。
石井竜也
13.02.08 13:06
このお話にいくつものヒントが隠されている事が解りますか? 介護という事の難しさ、辛さ、だけではないのです。人間というものの存在感が薄れてきているのを、感じませんか? 一人の命の重さが、軽視される時代。おそらく、こういう時代がくる事を私たちは、本当に恐れていたんです。あなたが見た光景と体験は、「命の軽視」を形で見た事によるショックです。軍隊を見て下さい。戦争も佳境を迎えると、初年兵と呼ばれる1年生兵隊は、人の死体の山を作るために、敵陣にわざと撃ち殺させて、人の死体の壁を作るそうです。第2陣が、その死体に隠れて敵の撃ってくる弾丸を、死体で受けるように訓練されて行くそうです。苦しくてまだ息があって泣いている初年兵を盾にして、敵と打ち合う。こんな事が出来る人間と言う生き物は、なんと愚かで野蛮な生き物なのでしょうか。そこまで凄まじい事ではなくとも、日常に社会の中で行われている残酷行為は沢山あります。ニュースを、くまなく見てみて下さい・・・悲しいかな、人間の動物的な欠点がどんどん書かれてています。私たちは、生き物です。間違いもするでしょうし、愚かな行動に走る事もあるでしょう。でも、それが度を超える時があるのです。あなたが見た光景は度を超した光景です。チンパンジーは、自分たちのボスが、若いボスに負けて変わる時に、それこそ、そのコミューンの全員で命がけでその集団を守ってきた年老いた昔のボスを、よってたかって、木の棒や石で、あるいは体を引きちぎるまでなぶり殺しにするそうです。もちろん、その年に生まれた古いボスの赤ちゃんも母親の手で、食いちぎられながら全て殺されるそうです。だから、チンパンジーの研究員達の中には、一ヶ月も持たない人がいるそうです。それが人間の根源でない事を祈ります。