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東日本大震災。

石井竜也

13.03.12 00:53

その大地震は、何の前触れもなく、やってきた。人々は恐怖と、突然の事に、何をしていいのか解らなくなった。そのうち、東北がどんな状態になっていたのかに驚きと、恐怖と、無力さと、悲しさが入り交じった、絶望感を体中に感じた。やがて訪れる、福島の事など、まだこの時には誰一人として、予想さえしていなかった。そして、メルトダウンという、最悪のシナリオから、福島第一原子力発電所の原子炉が、次々に、吹き飛んで行くのを、ただ呆然と、見ていた。この、桜開花を待つばかりだった、3月の11日2時46分に、チェルノブイリ級の事故を超えるような甚大な被害をもたらす、放射能汚染が、この四季のある美しい国に訪れるとは、今考えても信じられない。そして同時に、まさに秘密裏に54基もの原子炉が存在し、一旦亀裂や爆発が起これば、世界の殆どが、汚染されるだけの核廃棄物が、六ヶ所村に集められて、しかも、それらは、今の科学じゃどうしようもない状態である事を思い知らされた。そして、それら全ての災害の本元が、世界の共通用語である「ツナミ」の文字として、世界中を飛び回っているのを感じた。ニュースの犠牲者、行方不明者は、1時間ごと・・・いや、30分ごとに、膨大な数にふくれあがって行くのを、血の気の引いた自分が見ていた。そして、次々に、津波の本当の恐ろしさが、インターネットで、現場の映像として、次々と膨大な数アップされ始めた。通り一遍だった津波のテレビ映像では絶対に感じられない現実が、現場に居合わせた投稿者達によって、アップされた。同時に、原発に反対していた学者達の声も、インターネットを、駆け巡っていた。世の中が全く変わってしまう巨大な不安との戦いが始まった。そしてやがて、この分野がいかに危険で、多くの問題を抱えていたのかを、思い知らされた。連日の報道と、度重なるあまりにも多くの地震が、関東から以北を、この現実から忘れさせまいとしているように、起こった。道は寸断され、食料もままならない現地の状況は、全くと言っていいほど、この時点では、想像だにできなかった。やがて、その広範囲に渡る津波と地震の被害が、うすぼんやりと解り始めた頃、福島では、とてつもない事が始まっていた。まるで、どんどんほつれる毛糸のセーターを必死に、つなぎ合わせるような、素人が見てもどうしようもない状況がそこでは素人の手によって行われていた。このとき初めて、日本の原子力エネルギーの脆弱さと、専門家という金で買われただけのド素人科学者が、このとてつもないマシーンを、おもちゃにしていたのか!と、怒りを通り越して、あきれ果ててしまったのを覚えている。それよりもっと、民衆を落胆させたのが、政府と東京電力の対応の稚拙さと、愚行であった。国民の怒りは、頂点に達した頃、アジアでは、仲良くやっていたと思い込んでいた国々が、歯をむき出しにしたオオカミのように、今度は脆弱になった日本に、その刃を見せ始めた。ひん死の重傷を負った、人にとどめを刺すがごとく、その攻勢は、日々、悪化の一途をたどって行った。もはやマスコミのい言う事なんか、すでに信じられなくなった。国民感情は、爆発寸前であった。リーダーらしき人物も、不在なまま、時間だけが無駄に過ぎて行くのを、人々は、何も出来ない自分を責め続けながら日々を過ごした。あれは今考えても、完全なる無政府状態であったと思う。だが、東北の人々のたくましい顔がインタビューとして流れた時に、人々はやっと気がついた。日本人は、まだまだ出来る!「俺たちは、小さな存在なんかじゃない」ってね。あの戦争のような風景の中で、人々は毅然として、振る舞い、その姿には涙が出るほどの勇気さえ感じた。自衛団や自衛隊の姿がここまで心強く思った事があったろうか?・・・・時が過ぎ、やがてこの事態がどういう物であたったかを、日本中の人々が、知る事になる。我々は、少しづつ立ち上がり始めた。今、私たちが出来る事は、忘れないでいる事。それは自分の身を守る、自分の家族や愛する人を守る事にも繋がっている事を、肝に銘じたはずだった。未だ家を流され、帰れない人々が31万人以上。福島では、情報さえ操作され、地元の人が何も知らないでいた事に、同じ国民として、恥ずかしかった。「この国の政治は、人命も軽んじているのか?」やっと解った、この島国の病気の仕組みだった。・・・俺たちはこの2年、何を考え、何をしてきたのだろう?「頑張れ東北」とか、「絆」とか美辞麗句は、並べても、所詮他人事にしてはいなかったか?私たちは、初めて、知った事がある。公共というのは、資本主義には存在しないんだ、と言う事。実は、全て金で買われていた事に、災害以上に、驚き、あきれ果て、失望し、傷付いた。それでも、俺たちが日本人である限り、生きて行かなくてはならない。未来は、後ろには進まない。2年が長いか短いかなんてどうでもいい。それより、これから、俺たちは、どうこの現実と向き合い、未来にこれ以上の迷惑をかけずに済むかを考える時に来ている。・・・・これ以上の災害が、これから始まるのだから。

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