俺たちは、気休めで生きちゃいけないんだ。
石井竜也
13.05.31 10:09
誰もがいろんな苦難に遭う。これは避けられない事で、誰もがその大きさは違う。しかし、どの人にも、解らない自分だけの苦難というものがある。他人はなんとでも言える。でも当の本人は、そうはいかない。気休めなんか通じない深い深い穴蔵に落っこちて行くような、どうしたら助かるのかさえ解らないパニック状態。こんな事は、日々、人は経験しているんだな。俺が作品を作るのは、理由じゃない。誰のためでもない。プロモーションで言えば「愛する人に・・・」とか、言うんだろうけど、そんなかっこいいこっちゃない。俺は作品を作らなきゃ死んじまうんだ。だから、作り続けているだけ。命を長らえるために、必死で作品を作ってんの。誰に頼まれた訳でもなし、いなくなっても、誰も何とも思わないしね。「あいつはやりてえことやって死んだんだから、幸せだ」とか、のたまう奴は許せない。俺は一生かかっても自分の夢の5分の1も出来ないで、もがき苦しみながら、やり残した事だらけの大後悔で死んで行くだろうな?全く人騒がせで嫌なじじいだな。こんだけ、やりたい放題やらせてもらってんのに、それでも飽き足らなくて、アイデアが頭が内側から爆発しそうなくらいあるんだ。まだまだ、やりたい事は、一杯あるんだよ、俺。みんなに、どうだ!これスゲ〜〜〜〜ベ!!と、胸を張ってる自分が見えるんだ。おれにとっちゃ、気休めがない。気が休める場所もない。本当にどこにもないんだ。それっぽくパフォーマンスする時は腐るほどある。でも、俺は嘘つきだから、ちっとも楽しくなんかねえ。破綻してるのはとっくに解ってる。自分なんて、煙みたいに消えちまうんだと、いつもそう思ってる。実際、そんな夢を見る。汗だくで起きて、真夜中、水でシャワーする事も、何度もあった。一体何におびえてるんだか解らなくて、困った事もあった。誰にも解らない自分だけの苦悩は、誰に話したところで、癒える事は無いんだな。 自分一人で立ち向かわなきゃならない、取り付いた悪霊のようなもんだ。だって、他の人には見えないんだから恐怖だよ。ああなって、こうなって、こうすりゃあ、はい、出来上がり!なんて。この世に存在もしない簡単な成功なんて、追いかけてる奴の気が知れない。どだい成功なんてもんは、血でも汗でも、流さない限り・・・いや、限りなく命に危険が及ぶところまで自分を追い詰めなけりゃ、出来っこないんだ。ただ何となく生きています!とか、余裕かまして言ってた、若造がいたけど、こいつとは2度と口も聞きたくねえ。勝手に何となく生きて、何となく消えてなくなれ!世の中、お前が思ってるほど、簡単に「なんとなくそっとしておいてくれるほど甘かあねえぞ!ばか!」実態としての夢が俺の場合はあまりにもはっきりするんで、よくスタッフの前で、5分くらいで、「こういうのやりたいから、ここは5メーターになるよ」とか、簡単に言っちゃうけど、それだって、その場限りのいい加減にスラスラ書いてるわけじゃないんだぜ!何日も、寝られないほど、悩んで、怖がって、それでも、覚悟して、書いてるんだ。俺の目の前になんか、これっぽっちも油断なんか許されはいないんだ。そんなもん、欲しいならさっさと、こんな場所から去った方がいい。俺は自分をいつもそう戒めてるよ。