13.06.21 14:01

自分自身の生活を、国に置き換えてみると、なんだか解っちゃう事ってあります。人が一人生きて行くには、嘘も方便、世渡り術、表裏一体、・・・まあ、言い方は色々あれ、自分の預金通帳を、高くかざして歩く人がいないように、他人には知られたくない過去や事実、または、言ってはいけない傷の一つも、長年生きていれば出てくるように、同じ事が国にも言えるのです。毛布の形は、同じです。でも、掛け方一つ、敷き方一つで、暖かさも、感じかたも違ってくる。そこに、１０人が、くるまる事は到底出来ない。生活とは、生きるために、社会的な居場所と、最低限、命を守れる食べ物、あらゆる事からの防御も考えなくてはなりません。僕は歌を生業として生きている人間ですので、これ以上の現実的な事はあまり、言いたくないのですが、少なくとも、この社会で生きて行く上では、様々な建前が必要になるのだけは確かです。この建前が、本音を隠蔽し、そのうち、本音はどこかへ葬り去られ、忘れられて行くんだと思うのです。じゃあ、本音ってなんだろう？俺が思うに、この社会生活の中で本音で生きたらどうなるか？まずは『我侭』と言われて、痛めつけられるでしょう。その次は、その本音の意味に寄っては、抹殺もあり得る。大きな力からしたら、小さくても、的をついた本音ほど、夏の終わりに出てくる蚊のように目障りでうるさい。つまり、都合の悪い事を、あまり大きな声で言う人は、排除の方向に回されるってことです。だから、「余計な事は言わないで！」となる訳です。原発の問題だって、同じような事が言える。原発事故の収束も今では「あきらめムード」にまで感じるのは俺だけでしょうか？今でも、ストロンチウムや、プルトニューム、セシウムなど、とんでもなく危険な物質は、拡散し濃縮され、日本中を駆け巡ってるっていうのに、「原発の新しい指針」？・・・ハ〜？。そうなんです、ここがポイントなんです。この国は、既にいくつもの原子力発電所を、世界のあちこちに売る、死の商人の顔もあるのです。なにも、武器を、売ったりする事だけが「死の商人」ではないのですよ。何十年も前から、日本は、裏の顔も持ち合わせていただけの事。それは、ダム建設や、橋の建設、平和的な世界中の発展途上国に貢献という文字で日本の建設事業の陰に隠されて行われてきた、国策でもあったのです。もちろん、あらゆる産業には、裏と表がある訳で、人間には神様のようには行かない、悪意もある訳です。しかし、悪意が見えない、もしくは見えないように隠し方もまた技術と一緒に発達しているだけの事。ところが、地球は生きている、ここまで巨大な生き物はコントロールは出来ません。あんなに世界中で大きな声で言っていた地球温暖化なんて、今じゃ、ニュースにも、出てこなくなった。それこそ、東京にいたって、群馬県の事情も解ってはいないように、人は、自分と、あまり関係が深くない場所や人については、無頓着になる物です。そういった物が急に、スポットを浴びる時がある。それは、あなた自身の生活に危険が及ぶ時です。その時にはじめて、あなたはある事実に気がつく。でも、その時には、既に手遅れなのです。及んでしまった危機は甘んじて受けるか、あきらめるかの二つしかりません。どちらにせよ、自分自身の痛みとして感じられた時にしか、脳は、「危険信号」を出さない物です。大きな自然災害が起こるたびに、人間は、思い出してきました。自分たちの愚かさや、非力さを。でも、また新しいテクノロジーが出来るたびにその倍のスピードでおごり高ぶっても来たのです。そして、もう一つ逃げられない人間の性（サガ）があります。それは、犠牲の上にしか反映し得ない文明の形が確立している現実です。簡単に言えば、殺される豚の事なんか考えないで、焼き肉に夢中になるという事です。「命を大切に」は、人間が人間に言っている事であって、他の動物には、多少の犠牲は仕方がないと、どこか、狩人のような意識でいる訳です。一抹の罪悪感もあるのでしょう、世界には、殺した食料に対しての儀式や祭りがいっぱいあります。でもまだ、こんな場所はかわいい方です。原子力や、兵器、金融や自然破壊に関しては、「俺にはどうしようもない」という事になってしまう。人が作っているにも関わらずです。地球の変動なら、これはどうしようもないのは、解ります。でも自分たちが作った物に関して、自分たちが何も出来ないという事実は、不自然そのものではないでしょうか？「本音を言う」という事は、現代人にとっては「不自然な事」なのです。家族同士でも、お茶の間に集まったときの顔と、自分の部屋にいるときの顔を変える時代です。不自然に生きる事がまるで社会的にしっかりしている事であるならば、「しかりしてる」って一体なんなのでしょうか？正直、こんな風に認めてもらいたくて、「心で涙、顔では笑顔」なんて事を、何世代もやっていたら、きっと異常になりますよね？今では、何が正常で何が異常かさえ、訳が分からなくなっている。それでも、確実にある世界の中心的存在。こいつらのためにどれだけの人間が、嘘と真実の間で涙を流している事か。せめて血を流させないでほしいものです。