13.11.06 11:58

俺が感じたのは、何か途方もない事を乗り越えた、または乗り越えようとしている時代（とき）の人間は逞しいってことだな。楽天は本当に、東北に元気をもたらしたと思うよ。スポーツは、勝ち負けじゃないとか言うけど、やっぱり勝負の世界だからな。勝たなきゃならない。そこで初めて、人間の可能性を思い知らされ、感動するんだよね。今回の仙台や東北で流した涙は、うれし泣きと、なくした物をどうやってこれから埋めて行くかを深く考えた涙だったと思うよ。人間はもろい、でも立ち上がるときの力強さは凄まじいんだ。俺たちは、こんな時代にも、なんとか夢を見ようとしている。この事だけでも、人は凄い生き物だなって思うよ。あった物がなくなるのは、この世では当然なんだけど、一気になくす事はそうない。時間が大きな流れを使って浸食して行くようなスピードでなくなるのは、仕方がないと受け取れるけど、急に何もかもなくすと、なかなか立ち直れないものだよね。でも、生きていれば、好きな球団が優勝するだけでも、救われるときがあるものなんだな。これは、とっても意義のある優勝だったね。「こうやって、人間同士は高め合っているんだな」と本当に思わせてくれた優勝だったね。今、どこのチームが優勝するより嬉しいな。これから寒くなる仮設住宅で、いろんな嬉し涙を流したろうな？そういう想像もするべきだよね。人生は戦いであり、それは決して一人の戦いじゃない。自分との戦いは、葛藤としてあるもの、でも、その必死な姿に感銘を受ける人もいる訳で、大きく言えば、自分に真摯に向き合う事は、他人をも高めて行く事に繋がるんだな。今回の優勝の経緯には、人間のそういう美しさも感じたのかもしれないね。「人って良いもんだな」戦った楽天は、「なんとか東北に笑顔を」と、必死の攻防だったはず、その姿をずっと、心の整理もつかないまま、応援を忘れなかった東北の人びと。この両者の気持ちが見えたので、日本中が涙の拍手をしたんだな。人の人生は浮き沈み、長くなったり短くなったり、暗くなったり明るくなったり、でも、自分が急にスーパーマンになれる訳もなく、受け入れながら生きて行かなくちゃならない。死んで何かが助かる訳もなく、ただ、悲しさを増大させるだけ・・・。誰かが言った「死ぬ事も出来ないのか・・・」それは大きな間違いだ。生きている事がなくなった幾多のチャンスをバトンタッチして行くんだ。涙で人生が豊かになるのなら、泣けば良い、笑いで良くなるのなら笑えば良い、怒ってよくなるのなら、少しは怒っても言いだろう・・・でも、「夢も希望もない」なんて、決して考えない事だ。いつだって、人の人生には夢が吹き出てくる、そして希望が生きる力をくれるもんだよ。みんな誰かのためになっている事を、今回の楽天の優勝は、語っているんじゃないのかな？　しいて言えば、今のこの国が直面している諸問題も、努力次第で、なんとかなっていくかもしれないという『希望』を見せてくれたんだよ。