賢治の世界
senka
11.06.15 03:24
宮澤賢治の作品に、たなかよしかずの版画のついた短編集を,
5年ほどまえでしょうか、4冊買いました。
1冊がA5版の40ページほどの小さな本。忘れてはいけないもの。切り捨ててはいけないものが、そこにはあるように感じたので、持っていたいと思いました。
子どもの頃、たくさんの絵本に出会った時の、衝撃を思い出させてくれるものでした。しかし、現代の慌ただしい生活の中では、読むことも、手に取る機会もないままに、時は過ぎていました。震災のあと、岩手出身の賢治の名前を思い出して、手に取ることができました。
震災の前には読めなかった本が、沁みいるように、文章も版画も自分の中に入っていきます。この時に読むために、あの時の自分が買っておいたのかと思えました。
賢治の世界は、純朴な山男や、それを助ける純粋な少年。都会の人間関係、私利私欲から離れた、人と自然の美しさとの関係。透き通った純白なものが人の心を貫くということ。そんな、子どもの心そのもののような、信じることに真っ直ぐな気持ちを思い出させてくれる作品ばかりでした。
その賢治の世界と、MOONLIGHT ORCHESTRAコンサートの世界観に、共通のものが流れているのではないかと感じています。
様々な不安の中、雨の戸田会場から始まったコンサート。関わっている全ての人の心が、不安の中、人が集います。心の頼りは、根拠の無い自信のようなものでしょうか。あやふやな恐怖感や危機感が、行動の中に潜んでいます。
子どもの心の独特な純粋さを、自分の中の灯火のようの思い出そうとする心がはたらきます。未知のことに向ってゆける強さが、そこにはあったからですね。
その中で、歌をうたいませんかと誘われて、歌詞カードが配られて、楽譜を見て、音に合わせて声を出すと、自分が救われるような気持ちをいだきます。行動が、自分を満足させてくれる感覚を得ることができました。それが何かのお役にたてれば、幸いです。
物事は、積み重ねでしかないので、これから先も、出来る事があれば協力して参加して、何か、形作れたら、自分も前に進めると思っています。いつものように、聴いているばかりじゃなくて、自分も参加できたことが、とても嬉しかったです。おとなとしてというより、頼りないもどかしい、子どもような心を持って、全てのことを見つめてゆきたいと、改めて思いました。この先の長い道のりを、あきらめないためにも。
長くなりました。
