希望
senka
12.03.08 15:10
電力という文明は人間には無くてはならないもの。それが無くては人間の社会が健全には営めません。一個人で電気の無い生活を送ることは可能ですが、社会生活にそれを求めることは不可能です。国民には電気が必要です。そんな大事な人間の営みに深く関わる電力が、事故によって国民の生身の体を脅かす凶器になってしまいました。最も便利で快適なものは最も恐れるべきものを動かして得ていました。
東京は江戸時代から積極的な整備が繰り返されてきた都市です。政府が置かれ天皇をお迎えし国の中心としての都市機能を第一に社会生活は計画されています。故郷を持ちながら仕事や勉強に自己を活かす場として人生を歩んでいる方々にこの都市は支えられています。
思うに 耐え忍ぶ いつしかこれが東京に住む人々の共通の心の状態になっている気がします。
原子力発電所の事故とは、一企業の事故でもあります。この企業で技術を持って働く多くの人々と私達は生活の中で触れ合っています。その方々が居ないと都市機能が働かないことも生活の中で実感しています。東京電力はある意味、独占企業という立場で、大きな投資とそれに基づく大きな収益を管理している大企業です。
東北地方を襲った巨大な自然災害。日本という小さな島国の大きな悲劇でした。多くの方の故郷という心の寄りどころを脅かした自然の力。自然の恩恵で人間が心豊かに暮らしていたことを改めて知る機会にもなってしまいました。地方都市の豊かさ。その土地の風土に合わせた自然の機能に添った生活の営みが自然の厳しい東北地方には根強くありました。
支え合っていた多くの命が自然界に奪い去られてしまいました。人間も自然物でありますから、自然の大いなる力によって自然物の肉体が自然界へ帰っていかれました。人知を超えた出来ごとに畏敬の念で心はいっぱいです。この出来事を後世に深く刻むことが遺された私たちの使命でもあります。
原子力発電所の事故が日本の国土や海域、人間や動植物に及ぼす影響は、自然災害の比ではないのかも知れません。国土の地盤という現実問題を抱えている日本。国土が先にあります。原子力が自然にこの国土にあった訳ではありません。人間の意志で建設され運営され、大きなお金の動く企業の営む巨大産業事業です。今まで取り組んでこなかった安全基準の問題があったからこそ世界を震撼させるほどの大問題になっています。自然に脅かされながら自然と共存することを第一に考え生命科学に沿いながら自然災害によって生み出された企業としての新しい課題に人間らしい素直な気持ちで総力を挙げて取り組むことが使命でありますように。
巨大な金融を動かしながら、秘密裏に利権を活用しながら、国民が迎えるであろう危機を思い描きながえら、日本のリーダー、エリートと呼ばれる立場の方々は、その独特なスリルに耐え忍びながら、自然界と人間を裏切る選択という歯車を自らが回していたのでしょうか。
戦後の日本は、様々なかたちで「耐え忍ぶ」を実践し過ぎたのかもしれません。
耐えて忍ぶ 被災地の方々が体験されていることが正真正銘のものです。
