心の鍵
senka
12.08.04 04:25
連れ合いの男性から暴力(DV)を受けていた女性と一緒に働いたことがあります。毎晩、暴力を振るわれていました。暴力を振るった身体が痛むのでしょうか、その男性が寝付くまでの1~2時間は、求められて身体をさすってあげるそうです。
翌朝出勤してきますが、見るからに疲れ果ててボロボロな感じです。日中、安全な職場に休みにきて、自宅に帰ってからが戦いの日々でした。
彼女が私に心を許して話してくれたのですが、子どもの頃、両親が共働きで弟と彼女は同居の祖父母に育てられたそうです。そのお祖父さんが、幼い彼女に密かに暴力を振るっていたそうです。
彼女は弟も居たし、幼いながらも、何故自分だけ足で蹴られたり打たれたりするのだろうか考えたそうです。「お祖父さんは私の事が嫌いなんだ。」「私が我慢すればいいんだ。」幼い彼女はそう結論付けて、誰にも言わないで成長してきたそうです。お祖父さんの心の病の相手(役)を、弟を守る小さな彼女が引き受けていたようです。
彼女と付き合って、心の事を、専門のカウンセラーから学ぶ機会がありました。専門家によると、その行為が、心に鍵を掛ける。というものだそうです。しかしその経験が、成人して異性を求める時に、再現されるのだそうです。
幼い時期に心に鍵を掛ける経験をすると、それを繰り返して成人していくそうです。何か事があると、自分で受け止めて鍵を掛ける。その鍵が何十にもなってしまい、暴力に無抵抗ですから、社会の中でも様々な問題を抱えてゆき、ある意味で危険な存在になります。
専門家はそれを病気と言います。治療は、一つずつ鍵を開けて、一番最初に掛けた鍵を開けることで、心が解放されるそうです。その道のりは長いのですが、専門の知識のある方を相手に、実際は苦しんでいる暴力を振るう男性のためにも、心と向き合っていく時間を重ねるそうです。
自殺でも、暴力でも、そこに至る物語があります。
それが何より大事なこと。
そこに至る長い長い物語が、一人一人にあります。
それを見つめてゆくことで、様々な背景、環境が見えてきます。
人が一人で生きてはいないという事が見えてきます。
一人で生きて行けない。
一人では決して生きていないという事が見えてきます。
様々なものに心や身体が動かされ流されて関わっているだけですからね。
