その瞬間まで
月姫
12.09.05 12:36
相変わらず、残暑が厳しいですね。
それでも、本の数週間前までとは
陽射しが肌を焦がす強さが
確実に和らかくなっているのを感じられる...
束の間の穏やかな季節へと
移り変わっているコトに、心躍る気がしますね。
7月8日の沖縄「球美の里」のOPENの際に
現地からTwitterで様子を伝えてくださった方のご縁で
鹿屋市串良町有里の平和公園に保存されている
「串良海軍航空基地地下壕電信司令室」
の存在を知る事が出来まして
家族が携わっている、地元の「戦争遺跡保存」の
お手伝いをさせていただいていた関係で
すぐに詳しく調べて見たところ、
そこは終戦間近には、特別攻撃隊として出撃する飛行機との
「通信」に使われていた基地であったことが分かりました。
先日の石井さんの書き込みの中で、
神風特攻隊が「天皇陛下万歳!」と言って
敵艦隊に突っ込んでいったという、言葉と
解像度の悪い映像だけを見て、判断しない方がいい。
と、言ってくださっていましたが、
正にその通りなんですね...。
出撃を迎えた特別攻撃隊は、
体当たりをする目標の艦隊を発見すると
「目標発見」という無電を打つそうです。
無電というのは、みなさんご存知の「モールス信号」
ですから音声が聞えるわけでは在りません。
そして、突撃体勢に入ったときから「ト電」といって
「ト、ト、ト、ト、ト、....」という
短い音の無電を打ち始めます。
通信基地ではその音を
「突撃開始」の合図として傍受するのです。
そして続いていた「ト、ト、ト、ト、ト、....」
と、いう音が途切れた瞬間。
それが、その突撃機に乗っていた隊員の方の最後の瞬間。
「戦死」を告げる、静寂の瞬間なんだそうです。
「ト、ト、ト、ト、ト、....」という信号が
唯一の「まだ生きている証」の音。
「特攻」という、どうやっても生きてゆけない現実の中に身を置きながら
自らの手で「最後の瞬間」まで無電を打ちつつ、
目標に向かっていった方々は、
「その瞬間」を迎えるまで、どんな気持ちで生きていらしたのか...。
「ト、ト、ト、ト、ト、....」という音の中に
「壮絶な想い」が篭められていたのかもしれない...
と、思わずにいられないお話だったのですが
当時は「特攻」も、見送る側には「慣れ」が生じて
通信員の側で、きちんと無電を記録しなかったり...
という事態もあったんだそうです。
もちろん、その方たちは後で
「その瞬間に尊い命が亡くなっているんだ」と
激しく叱責を受けて、心構えを正されたそうですが
当時の方たちは、味方の飛行機が戦闘の最中に
堕ちて、上がった「火柱」ひとつであっても
「人の命の火柱なんだ」と言って、
「何本の火柱が上がったのか」を真剣に数えて
数え損ねることを本当に申し訳ないと悔やまれていたそうです。
石井さんも以前仰っていましたが
「目に見えない所で亡くなっている命」を思うこと
そこから「何か」を感じられるのではないかと
今の時代でも、意識しなくてはいけないのかな...と思います。
Senkaさんのお話もあわせて、最近思い出されてならないのは
石井さんのコンサートツアー「ZERO CITY-AQI-」
の中で、人々に懸命に訴えていた「サウス・ハルヲ」の
言葉と姿です。
彼のような存在を、この世の中に増やしてはいけない
賢明に心を痛める方に、彼のような思いをさせてはいけない...
そんな事を思いながら読ませていただきました。
