まだ終わっていない人もいます。
匿名
12.09.07 00:14
身近な人の事なので匿名で書かせて頂くことをお許しください。
特攻隊のお話が出ていたので書かせて下さい。
ある男性(80)は、ずっと病んだ妻を介護しています。
妻が病んだのはふたりが夫婦になり、子供が出来、その子供が小学生になってからです。
男性は妻と喧嘩ばかりしていました。
口から出るのは激しい憎しみに満ちた言葉ばかり、妻を大切に思いやることが出来ず、仕事でも問題ばかり起こし、家に帰らなくなったりを繰り返していました。
重圧に耐えきれなくなった妻はある日精神を病みました。
妻は夫を深く愛していたため、病まなければ夫と暮らせなかったのかもしれません。
そんな夫婦を見て育った息子がある日、不本意ですが家庭を持ちました。
両親を見て育った息子は夫婦のモデルは両親しか知りません。
だから父親のようにしか妻や子に接する事が出来なかった。
あまりの辛さに息子の妻は、夫の父親に気持ちを伝え「助けて欲しい」と言いました。
答えは憎しみに満ちた言葉、偏見に満ちた言葉しかありませんでした。
何故なんだろう?この家族に違和感を感じながらも何とか綱渡りの様に生きていくうちに、その男性(義父)は戦時中、特攻隊にいた事がわかりました。
明日出撃…という時に終戦を迎え、出撃は取り止めになりました。
その事が逆に男性の人生を歪めてしまったと分かりました。
仲間が次々に敵機に飛び込み命を落としてゆくのを見て、次は自分が…と覚悟を決めた次の瞬間に、180度世の中が変わってしまった。
それは喜ばしい事なはずなのに、そう考えられない程の傷が男性の心に出来てしまった。
その訳の分からない自分でも整理がつかない「闇」を抱えての結婚…
その恐ろしいまでの矛盾や怒りは弱い妻や子供たちに向けられたのです。
その事実を知った息子の妻は「まだ終わっていないんだ」と感じ、直接知ることのない「戦争」の恐ろしさ、悲しさ、を義父を通じて知らされた気がしました。
そして義父を救いたいと切望し、義父を受け止められるような技術を幾つか勉強したりもしました。
しかし彼女もまた夫から精神的な攻撃を受けて、彼女自身の体に深いダメージを受けていたため、志半ばで挫折してしまいました。
今彼女の心と体はボロボロになり、夫や義父を受け止める事が不可能になってしまいました。
今彼女の願いは、子供たちにはこの「負の連鎖」が及んでいませんように…という事だけです。
