REPORT 〜ご報告〜

福島県の小学校に「顔魂」を寄贈

当サイトBBSでもお伝えしましたように、今回の震災にて、石井竜也の従兄弟が校長を務める福島県内の小学校にて、尊い2名の生徒が犠牲となってしまいました。また小学校も校舎自体は残ったものの再開が難しく、現在は隣の地区の小学校にて授業が行われています。そこで何か協力できることはないだろうかと従兄弟に相談した石井は、“子ども達に笑顔を”というリクエストに応え、自らの作品『顔魂』3体を寄贈させて頂くことにしました。そして先日、石井宛にお礼のお手紙とお写真を頂戴しましたので、こちらのサイトにてご報告させて頂きます。

石井竜也様

お 礼

 お元気ですか。そしていかがお過ごしでしょうか。
 さてこの度は、塑像3体をお送り頂きありがとうございました。心温まるたくさんのご支援とお心遣いに、厚く御礼申し上げます。
 あの悪夢のような3月11日から二ヶ月半が過ぎました。あの大震災は、我々小学校児童、職員、保護者だけに止まらず近隣地区に住まいしているすべての人々の生活を一変させてしまいました。残念ながら本校でも、津波に飲み込まれ犠牲となった児童2名、保護者も3名います。働き盛りの人も、海の仕事を生業としている元気な老人も、多くの方が帰らぬ人となりました。
 そんな状況下でしたが、4月6日、被災小学校4校合同でいわき教委主催の「入学を祝う会」が挙行され新年度のスタートを切ることができました。28名の新入生を迎える予定が半分の14名になりましたが、明るく元気な新入生は私達の希望のシンボルです。
 幸い本校の公舎は無事だったのですが、ライフラインは寸断されたままだったので、隣の小学校に仮校舎を置き、授業を再開しました。児童たちも、4月当初はなかなか落ち着きませんでしたが、徐々に環境にも慣れ、今は普通通りに元気に学校生活を送りつつあります。
 昨年度は205名在籍していた児童も136名に減ってしまい、児童たちも私達職員・保護者も、本当に経験できないような状況の中で生活しています。しかし、この逆境に負けることなく、一歩一歩改善をめざし歩みを止めることなく、力強く生きて行くことこそが支えてくださっている皆様のご厚情に報いる道と思っています。
 最後になりましたが、竜也様はじめ、ご支援いただいた皆様のご健康をお祈りいたしまして、お礼の挨拶とさせていただきます。

追伸
 4月から5月連休明け2週間まで、仮校舎での事業再開のため毎日を慌ただしく過ごしています。
 お送り頂きました作品は、早速5月24日の全校朝会で全校生に披露しました。子どもたちもにこにこした表情で、驚きつつも「仙人」「行者」の顔魂に見入り大喜びでした。体育館での朝の会の写真を同封します。こちらの意図とピッタリの贈り物となりうれしく思っています。本当にありがとうございました。

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2011.6.7
「顔魂」寄贈